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東京国際映画祭「エシカル・フィルム賞」受賞『ミツバチと私』 予告&場面写真公開

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映画『ミツバチと私』場面写真
映画『ミツバチと私』場面写真(C)2023 GARIZA FILMS INICIA FILMS SIRIMIRI FILMS ESPECIES DE ABEJAS AIE

 第73回ベルリン国際映画祭・銀熊賞&主演俳優賞、第36回東京国際映画祭「エシカル・フィルム賞」を受賞したスペイン映画『ミツバチと私』より、予告編と新場面写真、監督メッセージが解禁された。

【動画】「私はなんでこうなの?」主人公の繊細な表情に注目 『ミツバチと私』予告編

 本作は、自分の性別に悩み“本当の自分”を探す8歳の主人公と、葛藤しながらも寄り添う家族の物語。ベルリン国際映画祭の銀熊賞・ギルド賞をダブル受賞し、第26回マラガ・スペイン映画祭で最優秀スペイン映画賞を受賞するなど世界各国から注目を集めた。また、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、9.5点と高い満足度を記録している。

 主演のソフィア・オテロは、オーディションで選ばれた新人ながら、驚くほど自然な演技を評価され、第73回ベルリン国際映画祭にて史上最年少の8歳にして最優秀主演俳優賞受賞した。同画祭は、2020年に男優賞・女優賞を廃止し、性別区分のない主演俳優賞、助演俳優賞を新設しており、まさにそれを体現する形での受賞となった。

 監督を手がけたのは、本作で長編デビューを果たしたスペイン人のエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン。これまでに数々の短編を監督し、『Chords』が第75回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映された実績を持つ。

 本作は、先に開催された第36回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門で仮題『20000種のハチ』として上映されて大好況を博し、連続で満席となった。さらに、今年度新設されたアワード「エシカル・フィルム賞」の第1回受賞作品に選ばれた。

 エシカルとは、人・社会・環境を思いやる考え方や行動のこと。近年ではSDGsに積極的に取り組む企業が増えたことでエシカルの認知度が高まり、エシカルに沿った意識行動がSDGsの目標達成には必要不可欠とされている。本賞は、世界でも注目されるエシカルに特化した部門で、ジェンダー平等、環境、貧困、多様性、差別といった現代の重要な社会テーマに向き合った作品が対象となる。

 審査委員でエシカルディレクターの坂口真生は、本作の選考理由を「一言で言えば優しさ。この映画に出ていたすべての人がすべての人に優しい思いやりを持った一面が見てとれた」と語っている。

 今回解禁された予告編は、主人公のアイトールが「私はなんでこうなの?」とつぶやくシーンから始まる。男の子に生まれたアイトールは、名前や髪型や水着、日々の様々なことに違和感を覚え、自分のことがわからない不安を募らせていく。そんなアイトールに家族は戸惑いを隠せない。スペイン・バスク地方の柔らかな光が差し込む緑豊かな美しい自然を背景に、家族に寄り添われながら、私らしく生きていきたいと顔を上げる繊細な表情が映し出されていく。

 あわせて解禁となった新場面写真は、養蜂用の防護服に身を包んだアイトールの姿や、休暇でバスクへ向かう車の後部座席で並ぶ兄弟3人、叔母と植物を植えていたアイトールがハチに驚いて顔を顰める場面、ドレスを着たアイトールと母親が鏡を見つめるシーンのほか、池で水着を交換したアイトールと友達の2ショットのカットなどが収められている。

 ソラグレン監督は日本公開に際し、「日本で私の映画を上映していただけてとても幸せです。皆様にこの映画を観ていただきたい理由はいくつかあります。ひとつは、子供のトランスジェンダーというとても重要なテーマを扱っているからです。しかし、それだけではありません。家族の問題も含まれていますし、私たちは時々、自分はいったい誰なのだろうと自問することがあります。それは、自分自身を取り巻く人々が自分をどのように見ているかにも関係します。この映画は、光に満ちていて繊細で優しく感動的です。主人公のソフィア・オテロだけではなく、母親や祖母、叔母役の俳優たちも素晴らしい演技をしています。また、この映画を見て私の生まれ故郷であるバスクを発見してほしいと思います。バスク語という言語、そしてバスクの風景をです。映画館で皆様を待っています」とコメントを寄せている。

 映画『ミツバチと私』は、2024年1月5日より全国順次公開。

映画『ミツバチと私』予告編

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