『ザ・クラウン』エリザベス女王役俳優3人に込められたメッセージ
エリザベス女王の治世を年代を追って描き、エミー賞を総なめにするなど高評価を得ているNetflixのドラマシリーズ『ザ・クラウン』。各年代のエリザベス女王を演じたクレア・フォイとオリヴィア・コールマン、そしてイメルダ・スタウントンには、それぞれ様々なメッセージが込められていたようだ。
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ファイナルとなるシーズン6の配信開始を前に、Peopleで特集が組まれ、それぞれの年代の女王に込められたメッセージが明かされた。
1947年のエリザベスとフィリップの結婚式に始まり、父王ジョージ6世の急逝を受けて即位した若き日を描く、シーズン1とシーズン2で女王を演じたクレア・フォイ。彼女には、人々に忘れられた女王の美しさや華やかさが投影されているそうだ。
コスチュームデザイナーのエイミー・ロバーツは、「人々はエリザベス女王がいかに美しかったか忘れています」とコメント。「若い女性が自分に課した規律は目を見張るものがあります。彼女の衣服はファッショナブルですが、コントロールされた側面もあります」と続ける。
「非常にグラマラスな時代で、女王は当時世界でも最も美しい人でした。クレア・フォイはそれをうまく捉えています」と加えるのは、歴史コンサルタントを務めたロバート・レイシー。「彼女はもろさや不確実さも表現し、役に昇華しました」とクレアを称えた。
女王の中年期を切り取るシーズン3とシーズン4で演じたのは『女王陛下のお気に入り』でアカデミー主演女優賞を獲得したオリヴィア・コールマンだ。「この2シーズンでは、女王が、選挙で選ばれた代表よりも深く、国民と関わっていたことを示しました」と、レイシーが説明する。
このシーズンでは、王室の危機が描かれ、よりシリアスな内容になりがちだったが、それでもオリヴィアは明るく、楽しく振舞っていたそうだ。ヘアメイクアップデザイナーのケイト・ホールは、「オリヴィアは楽しい人でした。メイクルームで陰鬱にシリアスになるようなタイプではありません」とコメント。ランチタイムにはネオンサインと音楽で、パーティー気分も味わったと振り返る。
シーズン5と6で、老齢期の女王を演じたイメルダ・スタウントンには、飾らなさの中にある優美さを投影したという。「彼女は冴えない中に、光を見出しました。女王の厳しい面の中にある、とてもやわらかい一面を捉えました」とレイシーが語る。
ホールはメイクを最小限にすることで、女王の「虚栄心のなさ」を示したそうだ。彼女は女王とメイクの関係について、「すべきことはする、といったものでした」と言及。「イメルダは忠実に、その原則に従いました。女王の虚栄心の欠如を表すものだからです。非常に実用的なアプローチでした。眉は整えすぎることなく、口紅は塗りましたが、過剰なメイクではありません」と述べている。
ファイナルとなるシーズン6は、1997~2005年が舞台となり、ダイアナ妃の事故や母を亡くしたウィリアム皇太子の若き日、チャールズ国王とカミラ王妃の結婚や、皇太子とキャサリン妃のロマンスが描かれる。本シリーズとして初めて2部に分けて配信され、パート1が11月16日、パート2は12月14日にスタートする。