蒔田彩珠主演『消滅世界』、白一色に包まれた“性愛のない”実験都市・エデンを映し出す本編&メイキング映像解禁
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蒔田彩珠が主演する映画『消滅世界』より、雨音(蒔田)と彼女の夫・朔(柳俊太郎)が、白一色に包まれた“性愛のない”実験都市・エデンを初めて訪れるシーンを納めた本編&メイキング映像、新場面写真3点が解禁された。
【動画】実験都市・エデンの撮影風景を捉えた本編映像&眞島秀和も登場するメイキング映像
本作は、芥川賞作家・村田沙耶香の同名小説を、映像ディレクター・川村誠の初監督・初脚本で実写映画化。
舞台は、結婚生活への性愛の持ち込みが禁じられ、夫婦間の性行為がタブーとなり、人工授精で子どもを授かることが定着した世界。心から愛し合った夫婦の自然妊娠で生まれた少女・雨音(蒔田彩珠)が、自分の周囲にある“普通”と、自らの内面から湧き上がる欲情に向き合っていく物語だ。
主人公・雨音役には蒔田彩珠、雨音の夫・朔役を柳俊太郎が務める。さらに、親友・樹里役に恒松祐里、同級生・水内役に結木滉星。樹里の夫・水人役に富田健太郎、雨音の元夫・正信役に清水尚弥、母・雫役は霧島れいか。加えて、松浦りょう、山中崇、眞島秀和、岩田奏らが脇を固める。
大人に成長した雨音は、性愛のない清潔な結婚生活を望み、夫・朔(柳俊太郎)以外の男性や二次元キャラクターと恋愛を重ねていく。だが、恋人を持ちながらも思うように恋愛関係を築けない雨音。それは朔も同じだった。二人は、千葉に建設された実験都市・エデンへの移住を決意する。
エデンでは、選ばれた住民たちが一斉に人工授精を行い、生まれた子どもたちは住民全員の子として愛され育つ。子どもたちにとっては、大人たちは全員「お母さん」なのだ。二人にとって理想郷にも思えたエデンでの“正常”な日々は、ある思惑を契機に“夫婦関係”を大きく狂わせていく――。
今回解禁されたのは、その実験都市・エデンの風景を捉えた本編映像とメイキング映像、新場面写真3点。
映像には、「エデンでの大人たちの義務は2つです。ハガキが届いたら、年齢男女問わず受精して、繁殖に肉体的に協力すること。2つ目が、子どもたちの育成に、精神面で協力すること。具体的には、すべての大人が、子どもたちに愛情のシャワーを浴びせる存在になることなんです」と語るエデンの管理人(眞島秀和)に、施設を案内される雨音と朔の姿が。
エデンを支配するのは“白い世界”。住民たちは白い装束を身にまとい、エデンの施設も白一色という、ミニマルな世界が広がる。そんな中「お母さん!」と駆け寄る子どもたちを、両手を広げて迎え入れる管理人。朔は戸惑いつつも、「一緒に遊ぼうね」とエデンならではのルールを受け入れようとするが、雨音は「無責任に可愛がって、飽きたら家に帰るって、何だか猫カフェみたい」と、まだ違和感が拭えない様子でつぶやく――。
続いて、同シーンのメイキング映像に。眞島がエデンの風景に「すごいですね」と驚く姿や笑顔で川村誠監督と話し合う姿、多くの子役エキストラたちとともに撮影が進行していく様子、柳や蒔田が監督から演出を受ける姿などが映し出されている。
同シーンでエデンとして登場したこの印象的な施設は、神奈川県厚木市にある神奈川工科大学のKAIT広場をはじめ、様々なロケ地を組み合わせて撮影された。それは、川村監督の「エデンは、セットを使用せずに全て現実にある建築物を組み合わせて構築する」という強い意志を尊重したもの。
ロケ地の選定にあたっては、ビジュアルだけでなく建築コンセプトも重視し、川村監督と制作部が協議を重ねて決定。特にKAIT広場は、設計した建築家の石上純也氏に対して監督が「人間の側から自然をデザインする方」とリスペクトしており、本作の世界観や物語に見事に合致した。
川村監督は「世界観を想像させるような場所を撮影ギリギリまで探しました。KAIT広場を『公園』にすることを思いつき、建築のコンセプトなどをリサーチするにつれ、この作品に相応しいロケーションであると確信しました」と述懐。そして「“子供ちゃん”たちが走り回る姿を見た時、自分のイメージしていたエデンが立ち上がってくる感覚があった」と、監督自身が思い描くエデン像と完璧に重なっていたと語っている。
このシーンは、本編でも極めて重要で印象的な場面。この後雨音と朔は、思いもよらぬ事態に陥る。物語がどう繋がっていくのか、劇場で確かめたい。
映画『消滅世界』は、11月28日より全国公開。
※柳俊太郎の「柳」は旧字体が正式表記
※川村誠監督のコメント全文は以下の通り。

