実写版『WIND BREAKER』水上恒司、満場一致のオファーで桜遥役に 仲間と成長していく姿を熱演
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実写映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』が、12月5日に全国公開を迎える。原作漫画・アニメも男女問わず人気を集めており、人々をとりこにする要素になっているのが、ひとりぼっちだった主人公が、仲間との絆を得て力強く成長していく姿だ。今回は、主演・水上恒司が演じる成長する主人公・桜遥の魅力を深掘りする。
【写真】水上恒司が熱演! 桜遥の場面カット
本作で桜遥を演じるのは、今年は『九龍ジェネリックロマンス』、『火喰鳥を、喰う』、そして『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』の主演映画3本と、今年の顔の一人とも言える活躍ぶりを見せている水上恒司。映画初主演(ダブル主演)を務めた『死刑にいたる病』(2022)、第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(2023)などで、俳優陣の中でも唯一無二の存在感でポジションを築き上げてきた。
そんな彼が新たに演じる主人公が、孤独な一匹狼だったが、ケンカを通じて守るべき仲間の存在を知り、成長していく風鈴高校1年生・桜遥。『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』での真っすぐな青年像を演じられるだけでなく、アクションもできる役者として、満場一致で水上に桜役をオファーしたといい、プロデューサーも「どこか孤高で、自分の世界を持っている人という雰囲気も桜にぴったり」と太鼓判を押す。
水上は本作のイベントで、自身が演じた桜について、「桜の持つ弱さや、照れるという感情の表現が大事でした。原作に寄せすぎるとキャラクター的になりすぎるので、人間らしく自然に演じることを意識しました。桜の初期の攻撃性や暴力性が、どのように移ろっていくかを軸に置きながら、人間の生々しさをどう映すかを考えた作品です」と話し、桜の人間的な変化の表現を特に大切にしたことを明かしている。
不良の巣窟と恐れられる風鈴高校のてっぺんをとるため、街の外からやってきた、ケンカだけが取りえの孤独な高校生・桜。白黒の髪色にオッドアイという一見奇抜な見た目から周囲に恐れられ、いつしか他者との関わりを避けて生きてきた桜は、風鈴高校の生徒たちが<防風鈴=ウィンドブレイカー>と呼ばれ、街を守る存在へと変貌を遂げていたことを知る。ケンカ=強さの誇示だと考えていた桜だったが、怖がられるはずの不良たちがまるで正義のヒーローのように街の人たちから認められ、求められている光景を見て、徐々に“守る”ための闘いに魅了されていく―。
そして、桜の心に大きな影響を与えていくのが、防風鈴のメンバーや街の人たちとの出会い。これまでたったひとりで生きてきた桜の初めての友人となり、皆の強さに憧れ努力を惜しまない楡井(木戸大聖)、実力者でありながら仲間思いな蘇枋(綱啓永) 、狂犬と恐れられつつも防風鈴総代・梅宮を崇拝する杉下(JUNON)、面倒見のよい四天王の1人・柊(中沢元紀)、仲間や街を愛し、圧倒的な強さとカリスマ性で皆をまとめる梅宮(上杉柊平)、しっかり者で度胸があり、悩む桜を気にかけることは(八木莉可子)─。
桜はこれまでに味わったことのない人の温もりに最初は戸惑いながらも、防風鈴のメンバーとして、仲間と共に街を守るための闘いに身を投じていく。敵対するチーム<獅子頭連>の兎耳山(山下幸輝)、十亀(濱尾ノリタカ)らとも、激しい死闘を繰り広げながら、“拳を交えた対話”の大切さを知っていく桜。誰よりも不器用だった桜が、仲間を得て、街を守るために拳を握りしめるようになるまでの道のり。その感情の移ろいこそが、『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』最大のドラマであり、見る者の胸を打つ原動力となっている。
そんな桜について水上は「僕自身、野球をしていたので、チームでは頑張るけれどプライベートではさっと引いてしまう、そんな桜の気持ちも理解できました。良くないなと思いつつ(笑)、でもその弱さを含めて愛おしく感じました」と自身と重ね合わせる。自らの弱さや不格好な部分を必死に隠そうとして、気づかぬうちに生きづらさを抱え込み、身動きできなくなってしまっていた桜。そんな彼が、防風鈴や街の人たちの優しさによって少しずつ心を開いていく。その桜の姿から、恥ずかしさやおびえも、仲間と共に分かち合えば未来へと踏み出せるのだと、見る者の胸に熱く訴えてくる。
映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』は、12月5日より全国公開。

