人気漫画家ヤマザキコレの『フラウ・ファウスト』、誕生秘話を担当編集者が告白

『魔法使いの嫁』が、「全国書店員が選んだおすすめコミック2015」1位に選出された漫画家・ヤマザキコレの最新刊となる『フラウ・ファウスト』が発売された。悪魔に魂を売り渡したファウストの伝説をもとに、ヤマザキが描き出す新たなダークファンタジーだ。ダークな世界観の中にキラリと光るヤマザキ作品の魅力とは?「ITAN編集部」石井裕紀子氏に聞いた。
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『魔法使いの嫁』で、一気に知名度を上げたヤマザキ。石井氏がその才能を知ったのは、オリジナル創作の同人誌イベント「コミティア」で『魔法使いの嫁』の原型を目にしたときだった。「すでに、エリアスという魔法使いのインパクトあるビジュアルや、主人公のチセとの関係性が出来上がっていて。ヤマザキ先生の世界観の片鱗のようなものが、同人誌につまっていました。私もファンタジーが大好きなので『これは!』と感じ、是非一度お会いしたいと思ったんです」。
『ITAN』での連載として、ヤマザキが提案したのが『フラウ・ファウスト』のアイディアだ。ゲーテの戯曲から着想を得て、少女の姿をしたファウストという、全く新たなファウスト像を描く大胆なストーリー。「ヨハンナ・ファウストという、不死の呪いをかけられた少女が主人公。彼女が契約を結んでいた悪魔メフィストが、とある事情で体をバラバラに封印されてしまい、ヨハンナがそれを取り戻そうとする。悪魔のパーツを探すという、ファンタジーのワクワク感もあり、なぜヨハンナがメフィストに会いたいのかというドラマ性にも惹きつけられました」。
『魔法使いの嫁』に続き、人と人ならざる者の関係性を描く。『魔法使いの嫁』では、動物の頭蓋骨に角を生やした魔法使いのビジュアルが目を引いたが、『フラウ・ファウスト』第1巻で登場するメフィストは、首のない悪魔。真っ黒のマントをさっそうと翻しつつ、スッポリと首がないキャラクターはこれまたインパクト大だ。「仮面や帽子をかぶってみたりと首がないメフィストを表現するまでには、紆余曲折があって。『いっそ首がなくていいのでは?』というところに行き着きました。異形のもの過ぎるでしょうか(笑)」。
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