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人気漫画家ヤマザキコレの『フラウ・ファウスト』、誕生秘話を担当編集者が告白

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 興味を引く設定とキャラクター造形。そのアイディアの源は、読書や映画鑑賞など膨大なインプットにあるようだ。「ヤマザキ先生はすごく博識で。ファンタジーの児童文学や神話にも興味がおありのようです。日本の古事記や日本書記、聖書も読まれているそう。『ハリー・ポッター』シリーズや『レイチェル』シリーズもお好きですね。文学作品としての『ファウスト』ももちろん読まれていて、学生時代には『フラウ・ファウスト』の原型を考えられていたそうです」。

 あらゆる知識を吸収し、独自の世界観を作り上げているが、ヤマザキ作品の最大の魅力は「キャラクターの成長」と話す。「ヨハンナはミステリアスなキャラクターで、一見、ツンツンとしたクールな強い女。なかなか本心や弱い部分を見せてくれないので、『もっと素直なあなたを見せて!』と思いますね(笑)。でもそういったクールな面は彼女のほんの一部。他のキャラクターと関わりあう中で、他者を見捨てることができない優しさなど、彼女の秘める人間らしさや成長が浮き彫りになると思います」。

 「ファンタジーではあるけれど、人間の成長や再生を通して、読者の方が一緒に心震える体験をしてもらえる作品の描ける作家」と絶大な信頼を寄せる。実際に会うヤマザキは「ものすごく気遣いの人」だそう。主人公をはじめ小さな妖精まで全てのキャラクターに愛情をたっぷりと注く様は、その人柄の表れかもしれない。大注目の漫画家・ヤマザキコレが綴る、ヨハンナの心の旅を是非、見届けてみては。(取材・文:成田おり枝)

 『フラウ・ファウスト』第1巻は4月7日発売。

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