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『アメトーーク!』でも話題に! マンガ『キングダム』が大人気のワケ

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 秦の六将と呼ばれた王騎は、ファンの間でも非常に人気の高いキャラクターの一人だが、彼はオカマの怪しいキャラとして登場する。いかにも脇役といったキャラクターとして登場したが、過去の仲間との遺恨、愛する人の死など、壮絶の人生が描かれることで、読者は応援せずにはいられない。

 戦国時代というものに、勧善懲悪はあり得ない。それぞれの立場に立てば、悪だと断定することはできないのだ。だからこそ、主人公たちの敵、もしくはライバルに背景があって当然であるといえる。それを描くことで、例え主人公に共感できなくとも、別の登場人物に惹きつけられ、読者を離さないという現象が起きるのだ。

 そして、作者・原泰久のストーリーテリングの上手さが本作の魅力を作っていることは言うまでもない。歴史物というのは、物語の先は見えているものだ。『キングダム』も基本的に史実に沿っているため、政が始皇帝となり、大陸を統一し、数々の偉業を成し遂げたことは義務教育でも習うほど有名な話で、史実として多くの読者が知っているはず。知りながらも、「政は無事に、王になれるのか?」「中華統一という夢は叶うのか?」と読み進めることを止められなくなる。 
 
 これは、信や政が自分たちよりも“強い”人物を常に相手にし、それに立ち向かっていくという構図を一貫して作っていることにもある。そして、その背景や関わる人物たちの思惑を丹念に描き、読者を惹きつけながら進めていく。キャラクターの魅力も伴って、まるで初めて知る物語のように思わせる作者の手腕は、素晴らしいの一言に尽きるだろう。

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