ディズニーアニメ『ズートピア』は“甘くない現実”も描く、監督が明かすリアリティ
「ジュディは一見、とても典型的なディズニーアニメのヒロインだと思うと思います。大きな夢に向かって努力をするというのは、確かに、今までにあるキャラクターです」と話すハワード監督。だが「皆さんも経験があると思いますが、実際に現実の社会に出た時に、思っていたことと違う、実はそんなに甘くないという現実に直面するんです。もちろん、ジュディはそれで簡単に夢を諦めることはしません。そして、その過程で、ズートピアの下に隠された秘密を発見するのですが、その旅は、同時に自己発見の旅でもあるんです。彼女自身が、自分でも気づいていなかった弱さに気づき、それと向き合って受け入れていくことで、大きく成長していくわけです。夢は叶わないと言っているわけじゃないんです。夢は叶うけれども、自分が思い描いていた方法で叶うとは限らない。そういったメッセージが含まれています」。
物語の根底に、こうした“リアリティ”があるからこそ、子どもだけでなく、大人が見ても強く共感し、ジュディと一緒になって旅を楽しめるのだ。
また、本作の見どころの一つに、動物たちのリアルさがある。どのキャラクターも、洋服を着て二本足で立ち、言葉を話すのに、まるで本物の動物たちを見ているかのような気にさせる。リアルな動物たちはどうやって生まれたのだろうか。
「私たちは、人間が動物のコスチュームをかぶったというだけにはしたくなかった」というリッチ監督は、「1年半ほどかけて、自然界そのものの野生の動物たちの種の異なる見た目、そして動き、しぐさをリサーチしたんです。人間のような感情を持ったキャラクターであると同時に、自然界におけるリアルなありのままの姿であるという融合という点でも、とてもユニークな映画になっていると思います」。
これまでのディズニー作品とはまた一味違う、まったく新しい世界がここに広がる。(取材・文・写真:嶋田真己)
『ズートピア』は4月23日より全国公開。
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