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最終回を迎えた『こち亀』、“反面教師”両さんと秋本治先生にただただ感謝

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 個人的に記憶に鮮明に残っているのは、パソコン関連のエピソードである。今でこそ家電として当たり前の存在となったが、本体は手が届かないほど高級で、それでも今と比べればスペックが著しく低かった時代に、両さんはパソコンとは何か、ネットとは何か、そして、どんな可能性を秘めているかを時には“悪の教師”となって教えてくれた。

 また、少年時代のエピソードでは浅草を中心に当時の空気感を伝えてくれたり、時には真面目に、時にはおちゃらけつつも「人生とは何か?」を僕らへ投げかけてくれた。

 この記事もきっかけとなり、実家で置き去りにしていたこち亀を久しぶりに手に取ってみた。小学生、中学生、高校生だった時には分からなかった両さんの振る舞いや発言が、大人になり、ほんの少しだけ分かった気もする。

 お金が大好きで時には無茶苦茶、それでも人情味に厚く、曲がったことが大嫌いな両さんは、自然と“憧れの大人”になっていたんだろうなと今ならば思えてくる。気持ちよいほどの酒豪で、その飲みっぷりも板に付いているのが両さんのカッコよさでもあるが、へこんだときに、いつか肩を並べて「毎日がしんどい? いいか、しんどいっていうのはお前が……」なんて、酒の席でお説教されたいなとちょっぴり願う。(文:カネコシュウヘイ)

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