『ファイトソング』最終回「涙止まらん」と反響! 全10話を通して伝えたメッセージとは
不器用な若者たちが織りなすヒューマンラブコメディー『ファイトソング』(TBS系/毎週火曜22時)が、3月15日(火)に最終回を迎えた。本作は、空手の日本代表を目指していたスポ根ヒロイン、木皿花枝(清原果耶)が、“人生最初で最後の恋”を見つけていく物語。最後に花枝が選んだのは、芦田春樹(間宮祥太朗)なのか。それとも、夏川慎吾(菊池風磨)か。それぞれの片思いが迎えるハッピーエンドに、感動の声が集まった。(文=菜本かな) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください
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■『ファイトソング』が伝えたメッセージとは?
2年ぶりに再会した花枝に、芦田はこう語りかける。「花枝は強いというか、かたくななんだなと思いました。それは、強さでもあるけど、そこから動けない、それしかできない弱さでもあるんじゃないかな?」と。この瞬間、花枝の呪縛を解くのは、やはり芦田なのだと確信した。
児童養護施設で育った花枝は、人に弱みを見せるのが大嫌い。あさひ学園の“家族”たちの前でさえ、涙を見せたことがなかった。耳が聴こえなくなったあとも、周囲に心配をかけないように気丈に振る舞って。強さを持っているがゆえの行動にも見えるが、裏を返せば人に頼れない弱さでもある。その呪縛を解いてあげる役割は、“家族”ではなく芦田だったのだろう。花枝のこれまでを知らないからこそ、言えることがある。
慎吾(菊池風磨)&芦田&花枝 (C)TBS
『ファイトソング』は全10話を通して、人はひとりでは生きていけないというメッセージを伝えてきた。他人に弱さを見せるのは、ちょっぴり勇気が必要だ。花枝のように、固いガードを張っている人なら、なおのこと。だが、一歩踏み出してみると、少しずつ世界は変わっていく。たとえば、“家族”に聴神経腫瘍のことを明かした日、花枝の心はラクになったはずだ。ひとりで悩むよりも、たくさんの人で考えた方が、よりよいアイデアが浮かぶことだってある。
聴力を失った花枝に、ふたたび音楽を感じさせてくれたのは、芦田だった。寄り添い合えば、声を発する振動や空気を感じることができる。「芦田さんの音楽が分からない」と恋にストップをかけていた花枝に、芦田は新たなスタートラインを引いてくれた。このシーンには、「アンプや芦田さんから伝わる振動でも音楽が伝わるんだね」「耳が聴こえなくても、寄り添う事で音楽が聴けるっていいね」「芦田さんの音楽が花枝に届いた…やばい涙止まらん」と感動の声が相次いだ。
花枝&芦田 (C)TBS
二人の恋の取り組みは、芦田の心にも大きな変化をもたらしたのだろう。人の気持ちが分からない…と言っていたのに、花枝のために全力でアイデアを振り絞った。弱さを見せられなかった花枝も、「甘えたい」「泣きたい」と芦田を頼れるように。空手の試合に負けて落ち込んでいても、心配した芦田が駆けつけてくれるのなら、「負けて得した」と笑うことができる。恋の力を感じたラストだった。
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