『ウチカレ』岡田健史演じる“入野光”が魅力的! “すれ違うハグ”もSNSで話題に
■『ウチカレ』魅力溢れる男たち
空は漫画喫茶で熟睡するが、入野はコーヒーを飲んで寝ずの番。そして二人は一緒に朝を迎える。夜明けの青白い光の中、ガチャガチャを見つけ「キラキラビー玉、空の好きなやつ」とうれしそうな入野。ビー玉を引き当ててもらった空は、入野から、さりげなく名前で呼ばれたことに気づいていただろうか。「泣きたくなったらこれで世界、見てろや!」、そんな優しさが詰まったビー玉をのぞき込むと、そこに映るのはさかさまになった入野の後ろ姿。「水無瀬って呼ぶたびに、その先に青い空が広がっていくような、そんな気がする」という入野の言葉の通り、いつか空の心にも青く澄み渡る空が広がることを祈りたい。
“入野光”。これほどまでに人と向き合うことを重んじるキャラクターもそうそういないだろう。入野は空を恋している相手としてだけではなく、人としても大切に想っている。傷つく空を見守りつつ、しっかりと受け止めていきたいという気持ちが痛いほど伝わってくる行動は、岡田のユーモアさを交えた芝居に乗せて軽やかに視聴者のもとへと届く。漱石が重すぎる愛に身を置き真面目に考えこむタイプだとしたら、入野は誠意のある態度で真摯に愛を表す。二人の男はタイプこそ違え、どちらも甲乙つけがたいほどに魅力的だ。
水無瀬碧(菅野美穂)と空 (C)日本テレビ
もはや碧の母性をそのまま受け継いだがごとく空を受け入れる入野は、物語にとって重要な存在にある。母娘のそれぞれの恋を描くラブストーリーと見せかけ、実は母娘の絆と自立を考えさせる本作は、空が少しずつ外の世界に頼れる相手を見つけていく“成長の物語”もまた、今後のみどころとなるのだろう。そしてこの先、空からのたくさんの感情を受け止めなければならない碧の心情にも注目だ。はたして空と碧はなぜ親子として一緒にいるのか。血液型の秘密は…。明かされていない“謎”に注目が集まる。