“整形級メイク”話題のGYUTAE(ギュテ) いじめ受けた過去も前向きに「得たものは大きい」

インタビュー
2022年5月14日 07:00

■居場所はどうやって見つける?

ーー居場所がないと感じている一方で「何をしたら良いのかわからない」という人もいると思います。「ここではないけど、どこに行けば良いかわからない」と思う人は、どうしたら良いでしょう?

今はインターネットがあるので、SNSなどで興味があることを調べたり、自分と似た人が多い職業を調べて、そこに行くのが良いのかなと思います。僕が「SPINNS(スピンズ)」で働いていたのも、メイクをしたくて、規則がない職場を探していた時に見つけたからでした。自分でいろんな個性を引き出したり、自分と似た人がいる場所に、自分から行くことが大切かなと思います。

ーーいざ行ってみたら違うこともあると思います。GYUTAEさんは、そういう時、どうしますか?

人生ってそういうもんだし、失敗して経験して積み重ねていくものだと思うので、次に行こうと切り替えます。実は僕、どこにも話していないんですけど、メイクの仕事をしているから、理容師免許もあった方が良いかなと専門学校に入学したことがあったんです。でも、2週間で辞めちゃいました。学校にいる生徒や先生方、教えてもらう内容を前にしたときに、「今の自分にはいらないよな。自分の普段やっている活動に充てた方が良いな」と思ってしまったんですよね。無理して同じ場所にいようとせず、自分で腑(ふ)に落ちるくらいまで情報を得て、辞めると選択することは悪いことじゃないと思いますよ。

■メンズメイクという言葉をなくしたい

ーー多方面で活躍するGYUTAEさんですが、どう見られたいと思っているのかが気になります。

僕、自分が変わったことをしている自覚はあるんです。それでも、今のような発信をしているのは、男女の垣根をなくしたいからなんですよね。ネイルや大ぶりのアクセサリーを着けることに抵抗がある男性って多いと思うのですが、僕を見て、「着けていいんだ!」と思ってくれる人が増えれば「男性はこうあるべき」という考え方から変わっていくんじゃないかなと思っているので、そういうことをビジュアルで伝えていきたいなと思っています。

ーー著書の中で「メンズメイクという言葉を無くしたい」とおっしゃっていたのも印象的でした。

メイクをする男性が増えたことは、すごく良いことだと思っています。でも、そもそも化粧品って、女性が買うものではなくて、誰でも買えるものじゃないですか。それなのに“メンズメイク”という言葉ができてしまうと、ずっと男女の垣根はなくならない気がしちゃうんですよね。結局、男性がメイクをするのを珍しがられていた頃と変わらないんじゃないかと。だから、僕が早めにメンズメイクという言葉を無くさないとという使命感に、今は駆られています。


ーー今回の著書の表紙にもそういった考えが現れているのでしょうか?

そうですね。冷静に見ると、すごい絵面じゃないですか?(笑) バキバキにメイクをして、ネイルもギラギラでって結構異色な感じがすると思うんです。でも、このアンバランスな感じの自分が好きなんですよね。もともと僕が14歳の時にメイクを始めたのが、元東方神起のジュンスがソロプロジェクトの時に、白髪になって目の周りを黒くして、ヴァンパイアのような雰囲気で出てきたのを見て、いつもとは違う妖艶な感じに衝撃を受けたからなんです。「男性がメイクをして、こんなに魅力的になるんだ」って。そのときに僕が受けた衝撃を、この表紙を見たときに誰かが感じてくれたらいいなと思っています。

3ページ(全3ページ中)

この記事の写真を見る

イチオシ!

GYUTAE

於ありさ(ライター)

本・書籍

取材

インタビュー

あわせて読みたい

[ADVERTISEMENT]

Disney+dアカウント以外の申込<年間プラン>

おすすめフォト

【行きたい】今読まれている記事

【欲しい】今読まれている記事

【イチオシ】今読まれている記事