カジサック、『はねトび』時代の“失踪事件”を振り返る 復帰できたのは「西野のおかげ」

インタビュー
2022年7月29日 07:00
カジサック、『はねトび』時代の“失踪事件”を振り返る 復帰できたのは「西野のおかげ」
カジサック  クランクイン! 写真:高野広美

 お笑いコンビ、キングコングとして人気を博し、YouTuberとしても活躍するカジサック(梶原雄太)。テレビに出演する芸能人がまだYouTubeに参入することがなかった時代に、誰よりも早くYouTubeに挑戦し、新たな道を切り開いた。そんなカジサックが7月13日(水)に初の書籍『家族。』(ダイヤモンド社)を発売。本書ではカジサックの生い立ちや“オカン”との親子の絆、芸人として勢いよく走り出し『はねるのトびら』(フジテレビ系)で大活躍した矢先の失踪事件まで、包み隠さず明かしている。今回のインタビューではそんな『家族。』執筆への思いから裏話までをたっぷり聞いた。(取材・文=Nana Numoto/写真=高野広美)


■失踪後復帰できたのは「西野のおかげ」

 カジサックにとって初めての書籍出版となる『家族。』。インタビューは普段カジサックがYouTubeの収録を行なっている部屋で行われた。

 本書について「初めての挑戦なので期待と不安が入り混じっている状態で、まだ実感がないですね。発売されてからどういった声が届くんだろうなというワクワクと不安が入り混じった気持ちです」とうれしそうに語る。

 『家族。』では、人気YouTuber“カジサック”として活躍するまでの物語が描かれており、エモーショナルな筆致が、カジサックの当時の心境をリアルに浮かび上がらせる。『はねるのトびら』で人気絶頂となったカジサックだが、実は2003年に、うつ病による失踪事件を起こしたことも本の中で言及している。この件についてもカジサックは赤裸々に話す。


 「最初は3日間、そのあと2ヵ月半休んでいます。僕自身はもう芸人を辞めたと思っていたんで、知ったことじゃないと思っていましたね。休養に関するニュースが出たことはちらっと聞いていましたが、『そうなんや、もう俺戻らんし』みたいな気持ちでした。戻らないどころか、もう最初の方は死にたい気持ちの方が勝っていたので…それくらいひどい状態だったんです。そこから芸能界に戻った理由は、やはり西野(亮廣)の存在が大きいですね。西野が待っていてくれたことをオカンが僕に伝えてくれたんです。それ以外の理由だったら僕は戻らなかったと思います。西野が待っていてくれていた、そして2ヵ月半待たせてしまった、という部分が大きかったです」。

 ひそかに苦悩を乗り越え、自分の道を模索してきたカジサックは、2018年10月1日に、ついにYouTubeに挑む。『家族。』でも当時の心境がつづられているが、芸能人がYouTubeに参入することは、当時はまだ簡単なことではなかった。だがそんなカジサックのチャンネルも開設から今年で4年。今や人気YouTuberとしても名をはせるカジサックに、約4年間を振り返ってもらうと「個人的にはもう最高のタイミングでYouTubeをスタートできたと思っています。そういう意味では僕、めちゃくちゃ運が良くて。本当に腐っていた時期もたくさんありましたが、いろいろな人の助けや出会いがあってYouTubeとも出会えました。当時って、YouTube界の視聴者さんやYouTuberさんが一番テレビの人間を嫌っていた時代だと思います。その時代に挑戦できたことは本当に大きかったと思いますね」と話す。


 さらにカジサックの参入後には、YouTubeに挑戦する芸人が急増。しかし、カジサックは最初からそれを見越していたのだそう。「一番最初の動画で『YouTube界とテレビ界の壁をぶっ壊して橋をかけたい』と言っているんですよ。早い段階で、いろんな芸人さんにYouTubeをやった方がいいと伝えてきました。みんな、もっと面白いんですよ。僕はまさに、テレビで力を発揮できなかった人間ですが、ベストパフォーマンスができる場所がYouTubeでした。でもそういう芸人さんって、まだたくさんいると思うんです」と真剣なまなざしで話す。「YouTubeとテレビの壁を壊したい」というカジサックの強い思いがひしひしと伝わってきた。

次ページ:「進化しないと絶対終わってしまう」 カジサックが明かす今後のYouTube

1ページ(全2ページ中)

この記事の写真を見る

イチオシ!

カジサック

Nana Numoto(ライター)

YouTube

YouTuber・動画クリエイター

お笑い

本・書籍

インタビュー

あわせて読みたい

[ADVERTISEMENT]

おすすめフォト

行きたい!ランキング

欲しい!ランキング

イチオシ!ランキング