『葬送のフリーレン』は「ものすごい作品」　種崎敦美＆岡本信彦が語る“フリーレン”の真っ白な魅力

　「週刊少年サンデー」にて連載中の漫画『葬送のフリーレン』（ともに小学館）がテレビアニメ化。初回は、9月29日（金）の21時00分から、『金曜ロードショー』（日本テレビ系）にて「初回2時間スペシャル 〜旅立ちの章〜」として放送されることで大きな話題を集めており、以降は10月6日（金）の23時00分から「FRIDAY ANIME NIGHT（フラアニ）」枠（日本テレビ系）で放送される。本作の主人公は、1000年以上生きた強大な魔力を持つエルフ、フリーレン。今回クランクイン！トレンドは、フリーレンを演じる種崎敦美と、フリーレンと共に魔王を倒した勇者ヒンメル役の岡本信彦に、フリーレンの印象を聞いてみたところ、種崎は「彼女は普通の子」と言い、岡本は「子どもに見えるときもある」と答えた。二人が思うフリーレン、そして『葬送のフリーレン』の魅力に迫る。（取材・文＝M．TOKU／写真＝小川遼）

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■フリーレンは「すごいけど普通の子」

――勇者とそのパーティーによって魔王が倒された“その後”の世界が舞台の本作。最初に原作、シナリオを読んだときの感想を教えてください。

岡本：「葬送」ってタイトルだけ見たとき、悲しい話なのかなと思いました。もちろんそういう部分もあるのですが、それ以外の要素がこの作品には詰まっています。世界観が繊細で重厚で、キャラクターの関係性が細部まで描かれており、読めば読むほど自然と心の中にキャラクターたちが入ってきました。何人もの人・種族、そして都市の歴史をいつの間にか追体験できる作品です。

種崎：切り口の斬新さは岡本さんがおっしゃっていた通り。加えて私はこの作品からずっと哀愁のようなものを感じていました。何でもないシーンでも原作を読みながら泣いてしまいそうになって。でも、それがなぜなのか、具体的には分からないんです。分からないけれど、読んでいくと自分の中に言葉で明確に表現できない、むしろしてしまいたくない温かい気持ちが勝手に降り積もっているというか。ものすごい作品だなと思いました。

ヒンメル 　（C）山田鐘人・アベツカサ／小学館／「葬送のフリーレン」製作委員会
――演じるキャラクターの紹介をお願いします。

岡本：ヒンメルは魔王を討伐した勇者パーティーの勇者ですが、僕が今まで思い描いていた勇者とはちょっと印象が異なるキャラクターでして。僕の中の勇者像って、魔王を倒すために、ひたすら血のにじむような努力をして最終的に覚醒して魔王を倒す、というものだったんです。一方のヒンメルは、もちろん努力はしていると思うのですが、「楽しさ」に重きを置いているように感じています。

――本作はヒンメルが亡くなった後の物語ですが、魔王を倒した勇者パーティーの面々は回想シーンで度々登場します。

岡本：その中でヒンメルがどういう人物なのかということも徐々に分かってきます。僕は彼を見ていると、自己肯定感が高まるんですよね。詳しくはまだ話せませんが、とあるエピソードで、僕は彼から「信じた者が勝つ」ということを教わりました。

フリーレン 　（C）山田鐘人・アベツカサ／小学館／「葬送のフリーレン」製作委員会
種崎：フリーレンは1000年以上生きているエルフの魔法使いでヒンメルの仲間です。膨大な経験値と知力、そして魔力を持っています。そんなものすごい存在なんですけど、朝起きるのが苦手だったり、生活面ではなかなかにズボラだったり。真っ白で純粋であったかくて…本当にいろいろな要素を持っている子なんです。岡本さんはどう思います？

岡本：そうだなぁ…フリーレンって、子どものようでかわいらしい面を見せることもあるのですが、頼もしくもあって。でも頼りがいがないところもあるんですよ。

種崎：そう！　子供のよう。かわいらしい。むふ〜ってドヤ顔もよくするし、ダンジョンでミミック（宝箱に擬態した魔物）に喰われてしまうことも何度もあって。もはやあれ喰われに「いってる」んじゃないかと思っていて（笑）。だって、あんなに強いフリーレンが喰われて「暗いよ、怖いよ」って本気で焦りはしないと思うんです。冒険の中でヒンメルから「楽しんでなんぼ」というのをたくさん教えてもらったからなのかなって。どこにもそんなことは描かれていないのですが、何度もミミックのシーンを演じながら段々とそう思ってきたんです。

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