赤楚衛二『石子と羽男』でもかわいさ爆発! なぜこんなにも視聴者を魅了するのか
連続ドラマ単独初主演作『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系/以下、『チェリまほ』)でブレイクを果たし、スター街道を突き進んでいる俳優・赤楚衛二。子犬のようにきゅるっとした瞳を持つ彼は、現在放送中のドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系/毎週金曜22時)でも、かわいさを爆発させている。有村架純演じる高校の先輩・“石子”こと石田硝子に、体当たりでアタックをしていく姿。石子と“羽男”こと羽根岡佳男(中村倫也)の仲に嫉妬をする時の表情なんて、実に愛らしい。圧倒的なかわいさで視聴者を魅了する赤楚は、いま最も母性本能をくすぐる俳優と言っても過言ではないだろう。本稿では、『石子と羽男』で改めて見えた赤楚の魅力とともに、彼のこれまでを振り返っていきたいと思う。(文=菜本かな)
【写真】かわいいっ! 『石子と羽男』でスーツ姿を披露する赤楚衛二
■“恋をした時の苦しさ”がうまい
赤楚は、恋をした時の苦しさを表現するのがうまい。見ているこちらまで、感情移入をして苦しくなってしまうような…。だから、いわゆる“当て馬キャラ”がよく似合う俳優だと思っていた。とくに、昨年放送のドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系/以下、『かのきれ』)で演じた樋口拓也は、彼の魅力が最大限に発揮された役柄だったように思う。
樋口は、同じ編集部で働く後輩・佐藤愛(小芝風花)に思いを寄せていた。誰もが気付いてしまうほどの猛アタックを仕掛けるが、長谷部宗介(中島健人)とうまくいっていることが分かると、サッと身を引く。そして、「最高の友達でいたい」と笑顔を作る優しさを見せた。
どんなにもがいても、どうにもならない恋に対峙(たいじ)した時、彼の子犬のような瞳が、一瞬曇る瞬間がある。その繊細な表情の変化に、私たちは惹(ひ)きつけられるのだと思う。「こんなにいい奴、いるか?」と思ってしまうほどの人物でも、赤楚が演じるとなぜか説得力が生まれるから不思議だ。彼のピュアな目が、うまく作用しているのかもしれない。
『かのきれ』の次クールに出演した『SUPER RICH』(フジテレビ系)では、江口のりこ演じる氷河衛の年下夫・春野優を演じることに。赤楚は、恋のライバルに対して見せる表情が、実に愛らしい。同作で衛を奪い合ったのは、『チェリまほ』でも共演を果たした戦友・町田演じる宮村空。まるでワンコのように衛に寄り添い、時には番犬のように空に敵意を見せる。
年の差もあってか、なんだかずっと優が片思いをしているような結婚生活だったが、本気で思っていることが伝わる瞳が印象的だった。『かのきれ』に続き、好きな人を一心に思う役柄だったため、樋口と差別化ができるのか? という不安要素もあったが、赤楚は上手に演じ分けていた。このドラマを見た時、「どれだけかわいいのレパートリーを持っているの…」と驚かされたのを覚えている。
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