赤楚衛二『石子と羽男』でもかわいさ爆発！ なぜこんなにも視聴者を魅了するのか
■どんな役にも染まる力を発揮
そして、現在放送中のドラマ『石子と羽男』だ。演じている大庭蒼生は、石子と羽男が働く潮法律事務所でアルバイトをしていた26歳。ドラマ公式サイトの紹介文には、「真面目かつ不器用で面白みはないが、まっすぐで心優しく、困っている人を見ると助けたくなる性格」と書かれていた。やはり、『仮面ライダービルド』（テレビ朝日系）に出演していただけあり、ヒーローキャラが嫌味にならずにハマる。なんだろう、優しすぎる行動を取っても、嫌らしくならないというか。
大庭蒼生（赤楚衛二） 『石子と羽男―そんなコトで訴えます？―』第8話より （C）TBS
しかも、これだけかわいい役柄を演じていても、“あざとく”見えないのがすごい。前述の樋口も、優も、そして大庭も。一歩間違えば、あざと系男子になっていた可能性もある。もちろん、あざといキャラも魅力的ではあるが、キャラクターのピュアなかわいさを引き出せるのは、赤楚だからこそできる演技であり、強い個性のように感じる。
ただ、彼はかわいいだけではない。昨年放送のドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』（日本テレビ系）で演じた大人気バンド“サイレントナイフ”のボーカル、ユウトのように、視聴者の反感を買うようなヒールキャラにもしっかりとハマることができる。同作での赤楚は、見るからにチャラそうな風貌で、少し前に放送していた『チェリまほ』の安達清とはまったくの別人。言葉遣いや歩き方まで横暴で、圧倒的なスターオーラを放っていた。
どうしても、かわいさがフィーチャーされがちだが、彼にはどんな役にも染まる力がある。それは、赤楚が並外れた素直さを持っているからかもしれない。演じる役の葛藤や喜びを素直に受け入れ、自分のなかに落とし込むことができる。どの作品にも愛を持って挑んでいるのが伝わるからこそ、私たちは彼の演技に惹（ひ）きつけられてしまうのだろう。
