『石子と羽男』の中村倫也はあまりにも魅力的 なぜこんなにも引き込まれる?

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2022年9月9日 20:00
『石子と羽男』の中村倫也はあまりにも魅力的 なぜこんなにも引き込まれる?
中村倫也演じる羽根岡佳男 『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』第9話より  (C)TBS

 『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系/毎週金曜22時)の中村倫也が、あまりにも魅力的すぎる。かわいいのに、かっこいい。面白いのに、クール。今回、中村が演じている“羽男”こと羽根岡佳男は、どこかつかめない男性だ。本当の彼は、どれなの? と気になって、仕方がなくなってしまうような…。そして、この独特な色気を醸し出せるのは、中村しかいないだろうと思わされる。本稿では、『石子と羽男』で見えた中村の魅力を存分に語りつつ、これまでの活躍を振り返っていきたい。(文=菜本かな)


■“これぞ中村倫也”が複数作品あるすごさ

 中村がドラマや映画に出演するたびに、「こういう中村倫也が見たかった!」と思っている気がする。“これぞ中村倫也”というハマり役が、いくつもあるのがすごい。

 特に衝撃を受けたのが、2019年放送のドラマ『凪のお暇』(TBS系)の安良城ゴンだ。“メンヘラ製造機”と呼ばれるゴンは、とにかく優しい。泣きたくなるほどに優しい。中村の持ち味である憂いのある瞳も相まって、放っておけない雰囲気をまとっていた。

 しかし、ゴンは主人公・大島凪(黒木華)にだけ優しいわけではない。ほかの女性とも、関係を持っている。それなのに、なぜか憎めない。ゴンを演じる中村を通して、“沼”に落ちるとは、こういうことなのだな…と再確認させられたのを覚えている。

 いわゆる“魔性”と呼ばれるタイプの男性もマッチするが、中村はヒロインを真摯(しんし)に思う正統派な役柄でも、存在感を発揮する。たとえば、2019年放送のドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)で演じた元ヤン教師の山下一真先生。“当て馬”の切なさを、これでもかというくらいに詰め込んだ役柄で、いまだに印象に残っている。

 春見順子(深田恭子)の恋を、そっと見守る優しさに、涙。時折見せる切ない表情に、また涙。チャラそうだけどいちずで、告白をする時にはビシッと決める。そのギャップに、恋をした視聴者も多いのではないだろうか。「山下先生、幸せになって!」と思いつつ、恋に敗れた中村の切ない顔が魅力的すぎて、複雑な感情になったことを思い出す。

 続いて、2020年放送の『この恋あたためますか』(TBS系/以下、『恋あた』)では、主人公・井上樹木(森七菜)と結ばれる本命役に。中村が演じた浅羽拓実は、業界最下位のコンビニチェーン社長。樹木との年の差もあったため、最初は“頼りになる年上彼氏”になるのだろうと思っていた。

次ページ:しかし中村は、“守ってあげたい”と思わせる隙を、うまく入れ込んでいく

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