「ダイソー」なぜ100円で本格派トレカ販売? 『イジンデン』開発担当者に聞いた発売までの道のり

特集・レポート
2024年1月21日 11:35

特にイラストにこだわりました。歴史系のゲームにおいてはカードやゲーム、いずれもイラストが格好いいですよね。誰にイラスト制作を依頼するかなど、展示会でさまざまな実績のある実力者を直接スカウトしました。特に織田信長が『イジンデン』の顔にもなっていますが、とても格好いいですよね。そのほかにも上杉謙信やダ・ヴィンチ、出雲の阿国なども大変良い仕上がりになったと思います。

また、各偉人カードには、その偉人に興味をもってもらえるよう、カードの下に解説を付け、「その偉人がどんな偉業を残しているのか」に触れられるようにしています。カードの効果やコンボなどにおいても、その偉人や歴史背景、アイテムに関連性があるものにしているため、歴史に詳しい方にも非常に好評です。そういったことを「知る」だけでも『イジンデン』は楽しめるゲームになっています。

――発売にあたり苦労したことはありますか?

企画段階から現在に至るまで苦労の連続です。開発においては、歴史上の人物がモチーフということで、中学生を中心に遊んでもらえるようなゲーム作りに苦労しました。現在、小学生にも流行しているタイトルよりはハードに、30周年を迎えた元祖TCGよりは簡易にという調整をしています。具体的には小学生のころから、ある程度カードゲームに親しんでいる子供たちが、少し難しいゲームにも挑戦してみようという気分で遊ぶことを想定しています。また、第1弾は、TCGが初めての人もいますから、ルールを覚えやすいようにシンプルな内容にしているんです。

製造面においても、「ブースターパック」に1枚は必ずキラカードが封入する仕様にするため、工場との交渉をはじめ、販売に至るまでの全ての制作課程において相当骨を折っていました。加えて販売が始まってからの環境作りも苦労の連続で悩みが尽きません。

開発の木皿儀氏お気に入りのカード「孫権」 理由は「(ウォッチャー&即応などの特性が)強いから!」
――そんな苦労を乗り越えて発売された際の喜びは一入だったかと思います。発売後、利用者からのうれしかった声や反応を教えてください。

大阪の体験会で小学1年生くらいのお子さまと対戦したことがあるのですが、まず、ものすごく強いんです。もともと『イジンデン』は小学校高学年~中学生を対象としておりましたが、漢字が読めないはずのお子さまでも十分に遊んでくれていて、しかもとても強い。圧倒的な知識と強さで完敗でしたよ。その対戦中、お母さまとお話をしたのですが、小学校のお友達同士で遊んでいただくようになったことや、歴史の偉人に興味を持ち始めたことなどを語ってくれたことが、本当にうれしく感じました。

――最後に『イジンデン』をどのように楽しんでほしいと感じていますか? また、今後目指していることがありましたら教えてください。

当初からの願いである『イジンデン』というゲームに触れることで歴史の偉人を知っていただく、ということです。最近はオンラインゲームが多く人気を博していると感じられますが、やはり人は直接会って話をすることが大事なんだと思います。老若男女、誰でも誰とでも遊んで仲良くなれ、そして偉人について学ぶ。ユーザーの方々には『イジンデン』というゲームでまずは「楽しん」でいただき、遊べる「仲間を増やして」いただきたいと思っています。そういった環境にしていけるよう、私たち公式はさまざまなバックアップをしていきたいと考えております。

 開発チームの「遊びを通して学んでほしい」という思いが込められた『イジンデン』。実際に筆者も遊んでみたが、諸葛孔明やマルクス・アントニウスなど学生時代に覚えた偉人たちと共にバトルしながら、カード下に書かれたテキストを読み「そういえばこういう人だった」「この年代の出来事ね」と思い出す時間は懐かしく感じた。しかも、110円と安価に購入できることから、気軽に購入して、プレイしやすい。ぜひとも家族や友人と学びながら『イジンデン』で遊んでみては?(価格は全て税込)

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