「推し農家と語らう未来農業フェスタ」開催! 元野球選手など注目の若手農業者によるトークイベントを実施
2月17日(土)に銀座フェニックスプラザにて「推し農家と語らう 未来農業フェスタ~未来を切り開く、農業の挑戦者になる!~」が開催されました。本イベントは農林水産省補助事業を活用して、“職業としての農業”の魅力を発信する「農業の魅力発信コンソーシアム」が主催するイベント。クランクイン!トレンドでは、注目の若手農業者と次世代の農業を担う挑戦者との交流を図る会場の様子をレポートします。(取材・文・写真=Nana Numoto)
【写真】未経験から脱サラ農業も! コンソーシアム各社が注目する「推し農家」一覧
■注目のロールモデル農業者10人がゲスト登壇
今回開催された「推し農家と語らう未来農業フェスタ」では、コンソーシアム参画企業がいま注目する「ロールモデル農業者」が集まって農業の未来を考える「トークセッション」、参加者とロールモデル農業者が交流できる「マッチングブース」など、さまざまなコンテンツを用意。
注目のロールモデル農業者×未来の農業者による「トークセッション」は二部制。約150人のロールモデル農業者の中から、コンソーシアム各社が注目する10人が「推し農家」としてゲスト登壇。第一部では「就農と経営~どうやって農家になり、続けていくのかを語らう~」というテーマで、農家になるまでの苦労が赤裸々に語られました。
また、第二部は「地域と未来~これからの地域と農業の未来を語らう~」とし、地域に根差した農業という仕事柄、地元の人たちと交流を持つためのノウハウを解説。それぞれの農家が実践するコミュニケーション方法が明かされ、貴重な機会となりました。
■かつてのキャリアを活かした農業へ
第一部の「就農と経営~どうやって農家になり、続けていくのかを語らう~」では、5人のロールモデル農業者が登壇。薄羽養鶏場の薄羽哲哉さん、3181Farmの龜山剛太郎さん、悠牧豚の川瀬悠さん、やつしろサニーサイドファームの桑原健太さん、三ツ間農園の三ツ間卓也さんが、実体験をもとに農業の魅力を話しました。
富山県で「悠牧豚」という豚の放牧をしている川瀬悠さんは、元々は市場調査と販路の開拓などマーケティング分野の仕事をしていました。そこから、さまざまなことがきっかけで農業へと導かれていきます。川瀬さんは福島の農業法人に営業担当として派遣され、現場で夏いちごの栽培研修を受けました。やがて、地元富山で夏いちご農家をしようと考えるように。しかし、近所には大きないちご農家があることが発覚します。夏いちごでは勝てないと考えた川瀬さん、今度は福島で放牧飼いをしていた豚を連れて帰ることにしました。畜産にとって水はとても大切ですが、幸いにも富山は名水百選に選ばれるほど水が綺麗。何より、肉が作物に比べて高単価であることも決め手となりました。でも、どうやって畜産を始めたらいいのか分からないことばかり。ここで川瀬さんは、マーケティングで培った調査能力を生かし、たくさんの人に電話をかけてリサーチをしました。思い立ったらすぐに電話して聞いてみるのもコツの一つだと、川瀬さんは話します。
トークセッションでは、大学卒業とともに農業を開始するのではなく一回社会人を経験した方が良いとの意見も。薄羽さんは「バックグラウンドになる強みを持てる」ことが社会人経験の利点だと話しました。他にも、元中日ドラゴンズの投手である三ツ間さんは、セカンドキャリアとして農業の世界へ。「ゼロからのスタートだった」と語る三ツ間さんは、世間から野球選手としての自分を忘れられないうちに農場をオープンすることにフォーカスしたそうです。オープンと同時に野球ファンを集客することに成功し、新たなキャリアでも輝く姿を見せてくれました。
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