なぜ「不快な音」テーマの展示を開催? オナラ、蚊の羽音、上司からの威圧的な電話…不快なのに“笑える”展示の裏側に迫る

特集・レポート
2024年3月20日 17:45

■なぜ不快な音を採用?

(左から)NTTソノリティ株式会社 代表取締役社長の坂井博氏、NTTコンピュータ&データサイエンス研究所 主幹研究員・グループリーダー・博士(工学)中山彰氏
 坂井氏にあえて不快な音を選んだワケを聞いたところ、「例えば楽しい音や笑える音は、人によっては『どこが?』と感じることもありますが、不快な音は共通して『いやだな』と感じてもらいやすい音です。そのため、あえて“不快な音”を聞いていただくことで、弊社の音の技術を楽しんでいただいたり、コミュニケーションのきっかけにしていただいたりする機会になればと企画しました」と語る。

 苦労した点は「意外と不快に聞こえない」こと。「CGや音源などを使用すると聞きなれている感じが出てしまったのです。そこで企画に携わる人やその家族に協力していただき、リアルな音を収録しています。音を収録して、エフェクトをかけて反映することに苦労しましたが、自分たちのクリエイティブが生きた音にできたことは、同時にこだわりのポイントにもなりました」と笑みを浮かべた。

 また、“不快”だけで終わらせない音作りも意識したポイント。「聞いた後に気持ち悪いだけだと嫌な体験を残してしまいます。今回たくさんの不快な音の候補がありましたが、終わった後にクスリと笑えて、コミュニケーションのきっかけになる音を条件に選定しました。また、受話器を切れば音がやむように、みなさんが『いやだな』と感じたらやめられるよう、不快のコントロールをしやすい展示にしています」という。

 最後に、本展をどのように楽しんでほしいかを聞くと、「『nwm』のイヤホンは耳をふさぐことなく音が聞こえる仕組みのため、イヤホンをしたまま会話をすることができます。一緒に回りながら『今の聞いた?』といった会話をリアルタイムで楽しんでいただけたらうれしいです」と思いを込めた。

「不快ミュージアム by nwm×NTT」の様子
 不快ながらもクスリと笑える本展。メイン会場となるUNKNOWN HARAJUKUに加えて、JR原宿駅前の複合施設「WITH HARAJUKU」ではサテライト展示も実施中だ。

【「不快ミュージアム by nwm×NTT」概要】
日時:3月20日(水・祝)~3月24日(日) ※5日間限定
場所:UNKNOWN HARAJUKU

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