美容家・神崎恵が語る“マスクメイク”の楽しみ方「リップこそしっかりつける」
■ちょっとずつサボって余力を溜める
――多忙な神崎さんは、よく24時間で足りるなぁという印象です。忙しい現代女性に向けて、日々を上手に過ごすコツを教えてください。
確かに1日24時間、足りませんよね(笑)! 私も、いろいろ試しました。その中で、日々できるだけ元気に過ごすためには、“余力を溜める”ことが大事だと発見しました。むしろ、余力を溜めていかないと、「今、頑張らなきゃ!」という肝心なときに頑張れなかったりしてしまうんです。私の1日1日は、“余力を溜め込む”がテーマです。
『だから私はメイクする』第2話の場面写真 (C)「だから私はメイクする」製作委員会
――具体的にどんなことをやられているのですか?
本当にちょっとしたことなんですよ。例えば、朝起きて、服を選ぶのも毎日面倒くさくないですか? まず組み合わせる労力を削るために、セットアップやワンピースを用意しておく。お料理にしても、手の込んだものを作りたいけど、どうしても無理だったりするときもある。でも、適当に出すと、適当に出した自分にちょっと腹が立つじゃないですか(笑)。なので、広めの大きなお皿にして、真ん中だけに盛るようにすると、ちょっと手が込んだように見えます。料理の手は抜くけど、見栄えが良くなる裏技です(笑)。
――そうしたマジックをいくつも重ねて、余力を溜め込むのですね。
そうです! 気持ちと時間の折り合いをつけながら、ちょっとずつサボって余力を溜めていくと、溜まった力で「なんかやっちゃおうかな」という前向きな気持ちになりますし、ハプニングが起きたときに、「いやいや、まだここの力を持ってくるから大丈夫」と、やりくりができます。なので、私はものに頼り、ときにサボりながら過ごしています。全部頑張ると本当に身が持たないので…手を抜くところは抜いて、諦めることもたまには選択と思いながらやっていくと、ちょっと楽になる気がします。
■24年ぶりのドラマは「すごくいい刺激」
――そして、10月7日(水)からは主演ドラマ『だから私はメイクする』が始まりますね。
もともと原作を読んでいて、すごく好きだったんです。私が演じる熊谷すみれは「メイクは人のためにするものじゃなくて、自分のためにするもの」という考えなんですが、「私と同じことを言っている…!」と思っていました。どうありたいかのベクトルが自分に向いていることは、とても大事だと常々感じていて…自分だけのためにメイクをすることが、ときに背中を押してくれたり、勇気をくれたり、力をくれたりするので、「誰かにどう思われたいだけのメイクじゃないんだよ」ということが伝わればいいなと思っています。
『だから私はメイクする』第3話の場面写真 (C)「だから私はメイクする」製作委員会
――視聴者としては「熊谷すみれ=神崎さん」と置き換えて観てしまいそうですね。
そうかもしれないです。今回、私の中で役づくりは、ほぼなかったんですよ。自分のままスルっとスライドできた感じだったので、別人を演じている感覚はありませんでした。ただ、いつもやってくれているヘアメイクの方が、「神崎さんじゃなかったです、熊谷さんでした」と言っていましたが…どうなんでしょうか(笑)。
――24年ぶりの地上波ドラマへの復帰ということですが、久しぶりのドラマの現場はいかがですか?
すごくいい刺激を受けています。ものづくりに対する、いろいろな人たちの熱量を肌で感じる現場なので、私の今後のものづくりに関しても非常に影響しそうです。私も普段、本を制作していくにあたって「慣れないようにしよう」と、毎回大事に作ってはいるんです。それでも、心とは別にどこか「本を作る」こと自体に対して慣れているところがあるんですよね。心を込めることがまず大事、という原点に立ち返らせてくれた感じがして、本当に貴重な機会をいただけました。
神崎がコスメショップで働く美容部員を演じ、メイクを通して女性たちの悲喜こもごもを描く新ドラマ『だから私はメイクする』は、テレビ東京にて10月7日(水)より毎週水曜24時58分放送。