なぜ韓国は“フェミニズム映画”が多い? 『キム・ジヨン』『はちどり』などを辿る

特集・レポート
2020年11月3日 12:30
なぜ韓国は“フェミニズム映画”が多い? 『キム・ジヨン』『はちどり』などを辿る
『はちどり』  写真提供:AFLO

 10月に公開された『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとして、現在韓国フェミニズムが日本でも話題になっています。6月に公開されたキム・ボラ監督の『はちどり』は、小規模な作品ながらその質の高さが口コミで広がり、異例の全国拡大公開が決まりました。本記事では、ますます映画界においても重要なテーマとなっているこの「フェミニズム」を軸に、いくつかの作品をご紹介します。(文=児玉美月)


■フェミニズムとは?

 さて、フェミニズムとはいったい何でしょうか。わたし自身は、簡単に言うとすれば「女性差別を認識し、それを是正しようと動くこと」だと思っています。世の中に蔓延る性差別は、それが根深いがゆえに、まだまだすべてが可視化されているとは言えません。

『82年生まれ、キム・ジヨン』 (C)2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
 日常生活における細部を丁寧に描出することでそれらを告発していったのが、まさに『82年生まれ、キム・ジヨン』でした。扈賢賛による本『わがシネマの旅―韓国映画を振りかえる』(凱風社)のなかで、韓国映画には、儒教的な伝統社会と支配階級が作り出した風習と倫理のために耐え忍ばなければいけなかった多くの女性たちの存在と、それに対抗してきた背景に基づく「抵抗の映画史」があると述べられています。『82年生まれ、キム・ジヨン』は、そんな映画史の系譜上に新たに位置づけられるでしょう。

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