『鬼滅の刃』伊之助に“頑張った大賞”を捧げたい 『無限列車編』で見せた著しい成長
■炭治郎たちとの最悪な出会い
強烈な第一印象だった伊之助 テレビアニメより (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
振り返ってみると、伊之助と炭治郎たちの出会いは最悪だ。同じ鬼殺隊でありながら、伊之助は、炭治郎や善逸になぜか攻撃をしかけてくる上に、話が全く通じない。しかも、罪のない幼い少女を踏みつけもした。それもそのはず、彼は山育ち。動物との力比べを生きがいとしてきた伊之助は、自分の山に偶然やってきた鬼殺隊員とも戦ったところ、鬼の存在や最終選別(鬼殺隊の試験)を知り、鬼殺隊に入った背景を持つ。
「俺には親も兄弟もいねぇぜ」。普通の人間としての生活を送ってこなかったゆえ、彼には一般常識がなく、読み書きや箸を持って食事することはもちろん、人を思いやることすら知らなかった。
■人間の優しさに触れて
那田蜘蛛山で様々な経験を積んだ伊之助 テレビアニメより (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
しかし、鬼殺隊に入ったことで彼の人生は変わっていく。「藤の花の家紋の家」では、おばあさんに食事や洗濯などの施しを受け、心が“ホワホワ”する感覚を覚える。その後も、炭治郎に感謝を述べられたり、危機一髪で助けられたときに、優しさに触れ、「これ以上俺をホワホワさすんじゃねぇぇ!!」という名言も生まれた。
「ゴメンネ。弱クッテ」 テレビアニメより (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
また、思いやりを知るだけでなく、仲間意識も芽生えていく。那田蜘蛛山での戦いでは、1人でがむしゃらに突入せず、戦闘の全体を見て、炭治郎と協力し、作戦を決行した。しかし、これまでと違い、歯が立たない鬼が出現。伊之助は己の無力さを思い知り、ひどく落ち込んだ。野蛮なあの伊之助に、「ゴメンネ。弱クッテ」と言わせ、戦意喪失させるほどの大事件だった。
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