櫻井孝宏の声響く! 歩くだけで泣ける“冬のムーミンバレーパーク”が凄すぎた
■いきなり“不安と孤独”に直面
今回われわれが冒険するのは、トーベ・ヤンソンの小説『ムーミン谷の冬』を基に、小栗了が脚色&演出した世界。冬になると冬眠するムーミン一家ですが、主人公のムーミントロールは1人だけ眠りから覚めてしまいます。
初めての冬に橋も長く感じます
パパもママも起きない上、景色も、初めて見る雪だらけ。ほんわかしたイメージのムーミン谷ですが、ゲストたちが一番最初に直面するのは、見たことのない世界への“不安と孤独”と大人向けなテーマです。
時には、こんな暗い道も歩きます
厳しい寒さ、枯れた草木。冬は四季の中で最も“死”を連想させる季節ではないでしょうか。電気のある生活で忘れてしまいがちですが、アトラクションの中で暗い森を歩くと、冬を生き抜くハードさを改めて感じさせられます。
■しかし、冬の魅力を知っていく
トゥーティッキのシルエット
しかし、怖いからと言って歩みを止めるわけにはいきません。櫻井のガイドと、ムーミントロールと一緒に歩いていくと、冬の世界ならではの仲間たちに出会えます。印象的なのは、トゥーティッキ(おしゃまさん)です。多くのムーミン谷の住人は、冬の間、冬眠するか、暖かい地方に移ります。しかし彼女は、眠りにつかず、ムーミン家の水あび小屋で暮らしています。
トゥーティッキの雪玉のランプ発見!
ムーミントロールは、雪玉のランプを作るトゥーティッキに出会いました。トゥーティッキは、その後も話し相手としてムーミントロールのそばにいてくれます。初めての季節に不安がるムーミントロールですが、トゥーティッキはあくまでも“話し相手”。決して“答え”は与えません。
運命は自分の手で切り開くもの。彼女はムーミントロールが自ら気づきを得られるように見守ることに徹しました。日照時間の短い北欧。太陽が当たらないのであれば、自らの手で作ればいいと言わんばかりに、雪玉のランプを作るトゥーティッキは、北欧の哲学を感じさせます。
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