『DUNE』でさらに進化 “演技で心をわしづかみにする”ティモシー・シャラメの魅力

特集・レポート
2021年10月16日 10:00

■シャラメの“進化”を感じずにはいられない『DUNE』

 「洗練されたルックスと、完璧になりきれない人間性」のギャップを個々の作品で披露してきたシャラメ。故に彼の演技には観客を置いてけぼりにしない親近感、いわば“人間らしさ”が漂うが、そのゾーンを踏襲しながらも脱却を図っているのが、『DUNE/デューン 砂の惑星』だ。本作でシャラメが扮するのは、公爵のひとり息子。幼いころから民を率いるのにふさわしい“格”を身に着けるための特訓を課されてきた人物であり、これまでのような「不安を素直に出す」ではなく、逆ベクトルの「不安を隠そうとする」部分に、シャラメの演技のさらなる成熟がみられる。

『DUNE/デューン 砂の惑星』 (C)2020 Legendary and Warner Bros.Entertainment Inc.All Rights Reserved
 父を失い、命を狙われ、自身の中で胎動する“新たな力”におびえる――。内面においてはかつてないスケールで切迫しているが、それを表に出せない、蓋をするキャラクターを演じるという点でも、シャラメの“進化”を感じずにはいられない。同時に、シャラメ扮する主人公が感情のコントロールを会得することで力の覚醒を促し、英雄へと進化していく過程が、そのまま作品の“核”となっており、ティモシー・シャラメという俳優の新たなる挑戦と成長が、作品が描こうとするテーマ性にリンクしている。

 まるで本作が“合図”かのように、今後も話題作が一気に公開されていくシャラメ。 レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンスら豪華キャストと共演したアダム・マッケイ監督作『ドント・ルック・アップ』(12月10日劇場公開、12月24日Netflix配信)、ウェス・アンダーソン監督と組んだ『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2022年1月28日日本公開)、先日撮影風景が公開され大いに話題を集めた『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚『Wonka(原題)』、『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督との再タッグ作『Bones&All(原題)』、そしてもちろん『DUNE/デューン 砂の惑星』のパート2も控えている。

Netflix映画『ドント・ルック・アップ』12月24日(金)より独占配信開始
 シャラメの“凄さ”は、アートハウス系の映画を中心に活動しながら世界的人気を博しているところでもあったが、今後はメジャーとインディペンデントの両軸でより絶対的な存在となっていくことだろう。クリストファー・ノーラン、グレタ・ガーウィグ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ウェス・アンダーソン…。名匠たちに愛されてきたティモシー・シャラメの“伝説”は、ここからさらに加速していく。

【『DUNE/デューン 砂の惑星』概要】
10月15(金)全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画

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SYO(ライター)

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