潜水艦映画にハズレなし!『ハンターキラー 潜航せよ』に備えて観たい鉄板作品
■『クリムゾン・タイド』(1995) 極限状態で対立する上司と部下
『クリムゾン・タイド』(1995) 写真提供:AFLO
同じく“原子力潜水艦による核戦争の脅威”を変わったアプローチで描いた作品が『クリムゾン・タイド』だ。ロシアで反乱が起き、アメリカと日本への核攻撃の危険が高まる中、アメリカの原子力潜水艦アラバマ号は、ロシアからの核攻撃に備えて出航する。事態が深刻化する中、ついにアラバマに対し「ロシアより先に核ミサイルを発射せよ」との命令が下るのだが、次の命令を受信する途中で敵の攻撃に遭い、アラバマは通信不能に陥ってしまう。発射は中止か続行か。その是非を巡って艦長と副艦長は激しく対立する。アメリカによる反乱の鎮圧や核攻撃の阻止を描くのではなく、アメリカ潜水艦内の混乱を描くことで核戦争の脅威を伝えるという脚本が非常に秀逸。艦長を演じるジーン・ハックマンと、副艦長のデンゼル・ワシントンの演技合戦は見ごたえたっぷりで、名優の演技と潜水艦という設定をうまく活用した傑作サスペンスに仕上がっている。
■『ハンターキラー 潜航せよ』(2018) 豪胆な艦長が挑んだ最大の賭け
21世紀以降、潜水艦を題材にした映画は激減。潜水艦自体が機密情報の塊であるため情報がないこと、そして時代の流れで敵といえばテロリストが中心となり、映画の中で潜水艦が活躍する機会が減ってしまったことが大きな原因だろう。
そんな中、満を持しての登場となったのが最新作『ハンターキラー 潜航せよ』だ。ロシア近海でアメリカの潜水艦が行方不明となる。その捜索に米原子力潜水艦ハンターキラー号が向かう中、ロシアでクーデターが発生。事態は核戦争の危機に発展していく。注目すべきは、海軍の全面協力を得て描かれる原子力潜水艦内部の描写だ。これは過去の名作でも実現しなかったことであり、それだけでも十分に観る価値がある。そして元潜水艦艦長が脚本に参加しているとあって、リアリティのあるサスペンスとアクションが展開。潜水艦だけでなく、ネイビーシールズの作戦も同時進行で行われ、それがキッチリと結実していく点はさすがだ。極めつけは、ジェラルド・バトラー演じる艦長が下す最後の決断。海軍の男たちの肝の座った決断力に驚くこと間違いなしなので、ぜひ劇場でその豪胆さを味わってほしい。(文:稲生稔)
映画『ハンターキラー 潜航せよ』は4月12日より全国公開。
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