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的場浩司、素顔は“好奇心の塊”「もっと面白いことを探したいと飢えている」

映画

■芝居以外への思いが変化「面白そうと思うものは全部やってみたい」



 1988年『首都高速トライアル』で俳優デビューした的場は、来年にはデビュー35周年を迎える。「あまり役者としての自分を振り返ることはない」という的場だが、俳優人生の転機を問うと「たくさんの偉大な役者さんと知り合ったことが自分の中で大きな出来事だったと思います」と答えてくれた。特に、大きな影響を受けたのは、浅野温子と杉良太郎。「一緒にお芝居をさせていただいた時に、あまりのすごさに衝撃を受けたんです。心が震えて、こんな俳優になりたいという思いが芽生えた」と回顧する。

 そして、「芝居って楽しいんですよ」と笑顔を見せる。

 「いろいろなタイプの役者がいると思いますが、僕はクランクイン前に、僕が演じる役のことを僕以上に知っている人は絶対にいないと言い切れる状態まで仕上げていきます。生まれた時はどうだったか、小学校の時はどうだったか、どういう生活を送ってきたのかという台本に書かれていない、見えない部分まで考えるので、その作業は苦しいです。ただ、それをやり終えた後の芝居には説得力があると僕は思います。だって、僕以上にこの役を知っている人はいないんですから。だから、臆することなく、悪い意味での緊張をすることなく演じることができるんです。(芝居には)苦しいこともありますが、その先で見える景色は最高です」。


 一方で、一人の人間“的場浩司”としては「海に行くのが大好きなので、よく行くんですが、海に行くとどうしてもいろいろなことを思い出して考えてしまいます。僕、ロマンサーなんで」とにっこり。「いい歳したおっさんがセンチメンタルな気分になって気持ち悪いかもしれないですが(笑)、楽しかったことや切なかったこと、自分が若い頃に遊んでた奴らのこととか、そんなことを考えて海で過ごしています」と教えてくれた。


 的場といえば、スイーツ好きや都市伝説好きとしても知られ、最近ではテレビ番組で俳句も披露している。そうした幅広い活動についても水を向けると、「昔はお芝居以外の仕事はしたくないと思っていましたが、今は自分が面白そうだと思うものは全部やってみたいです。仕事以外でも、面白そうだと思ったら、すぐにやってみる。だって、いつかは死んじゃうんですよ? だったら、何でもやってみた方が楽しい。だから、何でもやります」と語る。今、熱中していることを聞くと「台本を読んだり、台本を書く。企画する。家族と話す。メダカの世話をする。海に行く。すごくいっぱいあります」と言うが、「充実はしてない」とキッパリ。

 「飢えているんですよ。まだ何か面白いことがあるだろう。もっと面白いことを探したい。そう思ってあれこれやっているんです。だから、熱中はしていても、充実とはまた違う。僕は、明日死んでも後悔しない生き方をしたいんです。だから、楽しいことややりたいことに、毎日一生懸命打ち込んで、全力でやっていきたいと思っています」。

 自身を「好奇心の塊」だと評した的場が、今後は何を楽しみ、どんな活躍をするのか。楽しみは尽きない。(取材・文:嶋田真己 写真:高野広美)

 映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』は、9月23日より全国公開。

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