的場浩司、素顔は“好奇心の塊”「もっと面白いことを探したいと飢えている」
『はいすくーる落書』『ママハハ・ブギ』(いずれも89年TBS系)などのドラマで人気を博して以降、ドラマ・映画を中心に確かな存在感で幅広い層から支持されている的場浩司。香取慎吾が3年ぶりに主演を務める映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』では、香取演じる裕次郎が勤めるホームセンターの店長・浦島役で出演。物語に笑いとほっこり感を与えている。間もなくデビュー35周年を迎える的場に、本作で描かれる夫婦像についてやデビューからの俳優人生を聞いた。
【写真】時折見せる、やんちゃな少年のような笑顔がかわいい的場浩司
■“愛妻家”的場が抱く主人公夫妻の印象「特別異質な夫婦とは思えない」
映画『台風家族』の脚本・監督で知られる市井昌秀監督の最新作『犬も食わねどチャーリーは笑う』は、裕次郎と日和(岸井ゆきの)の結婚4年目夫婦のゆずらないバトルをコミカルに描いたブラックコメディ。仲良し夫婦だと思われている2人だが、日和は鈍感夫にイライラを募らせていた。その鬱憤(うっぷん)を吐き出さないとやっていられないと、日和は、妻たちの恐ろしい本音や旦那たちが見たらゾッとするようなエグい投稿がびっしり書き込まれた〈旦那デスノート〉に書き込みをする。そしてある日、裕次郎もその存在を知り、「これって俺のこと?」と思うような書き込みを見つけてしまう…。
映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』場面写真 (C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS
笑えるだけでなく、時にヒヤリとして、大いに泣ける本作。的場は「今までコメディと言われていた作品とはちょっと違う角度から作られた映画だと感じました」と話す。そして、「芝居を大げさにするとか、表情とかで笑ってもらおうとしているのではなく、ナチュラルな芝居の中で、ナチュラルな人間像を見てクスッとする。すごく上質なコメディができたと思います」と胸を張った。
メディアでも家族とのエピソードを話すなど、愛妻家としても知られる的場だが、本作の裕次郎と日和夫婦については「一般的な今の若者夫婦はこんな感じなんだろうなと思いました」という。
「結婚生活を続けていけば、夫も妻も、出会った頃のトキメキなどは少しずつ薄れていくとは思います。それは当然のことだと思うんです。ただ、日和はそれを当然だとは思っていない。『あの時はこうだったのに!!』という思いが蓄積して、〈旦那デスノート〉に走ってしまったわけです。僕も、もちろん妻を好きですしめちゃくちゃ大事ですが、それでもその思いを出会った時のように表現できているかと言われたら、どうだろうと思うところはある。そう思うと、彼らは特別異質な夫婦だとは思えないんですよ」。
劇中でも、夫婦関係を大きく変えることになる〈旦那デスノート〉。的場は「実際に、自分のことを妻が書いていたらびっくりしますよね。あれは怖い」と笑いながらも、「今作では、〈旦那デスノート〉は妻の愛として描かれています。もし、そこに愛がなければただの怖いものでしかないけれども、最後まで観てもらえれば、愛があることを感じてもらえると思います。映画で観ると〈旦那デスノート〉の存在は非常に面白いものとして映るんじゃないでしょうか」と分析した。