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渡辺謙はなぜハリウッドで活躍し続ける? ギャレス・エドワーズ監督が魅力を語る「1番仕事がしやすい役者」

映画

■『AKIRA』、SONY、任天堂! 日本から受けた影響

エドワーズ:デザインや未来の世界観という意味では『AKIRA』に影響を受けました。大友克洋さんの美的センスは世界でも最高だと思いますし、同じような参考にできる作品を探したときにみつからないくらい唯一無二でした。また、80年代、90年代のSONYや任天堂のプロダクトデザインも本作のインスピレーションになっています。あの時代の日本の商品は見ただけで機能が理解できるところが魅力でした。今はiPhoneを見ても、みんな長方形で個性がないと僕は思うんです。でも当時のデザインはすごく個性があっても、集めて所有したくなるような魅力がありました。今回の『ザ・クリエイター/創造者』は、今の世界線ではなく、子どもの頃に約束された未来像を見てみたくて作った作品でもあります。

(C)2023 20th Century Studios
ーー『AKIRA』などから影響が。個人的には『AKIRA』の実写化はエドワーズ監督に撮っていただきたい気持ちです。

エドワーズ:それはワーナー・ブラザースに言ってみてください(笑)。

ーー(笑)。それでは最後にエドワーズ監督が本作に込めた思いを教えてください。戦争がより身近になった2023年に本作が公開されることは大変重要な意味を持つと思っています。

エドワーズ:大きな戦車が登場し、アメリカ兵らしき人々とAI同士が戦うシーンの撮影をタイでしていたのですが、パンデミック中だったので西洋人の顔つきをした人がなかなかみつかりませんでした。唯一探し出せたのが、ロシアとウクライナから移住してきた人のコミュニティー。なので、あのシーンは、ロシア人とウクライナ人の役者に参加してもらいました。そして、いざ撮影を始めたのが、まさにロシアがウクライナに侵攻を始めた日。iPhoneで恐ろしい光景を目の当たりにしたのですが、一方で横を見れば両国の役者が映画の中で同じチームとして戦っている。休憩中にはふざけ合ったり笑い合ったり、とっても仲良くしていたんです。

まさにそれこそが、僕が『ザ・クリエイター/創造者』で描きたかったことでした。自分と違う風に感じても、お互いをよく知り、同じ時間を過ごすことができれば「自分と同じなんだ」と人は気付くことができます。あの光景はとても心温まるもので、すごくこの映画のテーマに共通してるなと感じました。


(取材・文:阿部桜子 写真:編集部)

 『ザ・クリエイター/創造者』は現在公開中。

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