山本舞香、賛否の声も「気にしない」 女優という仕事へのプライド
人気コミックの実写化作品として2年前に公開され、ファンからも多くの支持を得た前作を継ぐ第2弾となる映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』。今作から、窪田正孝演じる主人公カネキの仲間であるトーカを、山本舞香が演じている。男勝りで情に厚いトーカは、山本自身のイメージとも重なる。取り繕わない山本の言動は、時に賛否の声を呼ぶこともあるが、山本は「気にしない」という。その先に見えてきたのは、仕事へのプライドだった。
【写真】柔らかな笑顔からクールな表情まで 山本舞香インタビューフォト集
「トーカは喰種(グール)ですけど、喰種としての演技を考えて演じたわけではなく、たまたま喰種に生まれてしまったトーカという一人のキャラクターを演じました。軸として意識したのはクールな子。それから、友達や、自分を慕ってくれる年下の子のことを大切にする気持ちを強く持っている子。その気持ちは自分自身とも似ていると思います」と語る山本。しかし最初のうちは「トーカをやれる自信がなかった」と振り返る。
「第2弾からの参加だということへの不安は全くなかったんです。このメンバーで撮れる作品に携われるだけで幸せでしたし。ただ、あまりに人気のある原作の実写化であることに加えて、前作から演じている窪田さんのカネキがほぼ完成している状態で、そこに追いつかなきゃいけないという焦りや葛藤があって、プレッシャーが大きくなってしまって…」。
不安を窪田に漏らしたこともあったが、「舞香なりのトーカを演じればいいんだよ」との言葉に方向性が見えた。「クールという軸を置きつつ、そこに、私自身の色を足していけたらいいと思ったんです。そこで笑うんだ、とか。そこでスイッチが入って切れるんだ、とか。私自身のリアルを重ねていったら、自分の中にどんどんトーカが生まれていったんです」。
山本ならではの色は、小学1年生から中学3年生までの9年間続けていた空手で培った身体能力を十分に生かしたアクションにも十二分に現れている。中でも松田翔太演じるカネキを狙う喰種・月山習との教会でのクライマックスは圧巻だ。
「窪田さんもですが、松田さんは役へのこだわりが本当に強くて、何度も監督と話し合いを重ねていました。その姿を見て、自分ももっとこうすれば観ている人に伝わる、といったことを深く考えていくことができたんです。とてもいい刺激をいただきました。クライマックスの教会でのシーンは、かなり激しいアクションで、カメラが回る前は気持ち悪くなるくらいの緊張感でした。でもその緊張感がたまらなかった。このシーンを、この緊張感の中で、この先輩たちとできるんだということが、とてもうれしかったです」と喜びを語る。