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アカデミー賞史上初3部門同時ノミネートの快挙 ドキュメンタリー『FLEE フリー』公開決定

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映画『FLEE フリー』場面写真
映画『FLEE フリー』場面写真(C)Final Cut for Real ApS,Sun Creature Studio,Vivement Lundi!,Mostfilm,Mer Film ARTE France, Copenhagen Film Fund,Ryot Films,Vice Studios,VPRO 2021 All rights reserved

 本年度アカデミー賞にて史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞3部門同時ノミネートの快挙を成し遂げたドキュメンタリー映画『FLEE(英題)』が、邦題を『FLEE フリー』として、6月に全国順次公開されることが決まった。

【写真】アニメーションで制作されたドキュメンタリー『FLEE フリー』場面カット

 本作は、ひとりの青年が20年の時を経て語る祖国からの決死の脱出劇をアニメーションで映像化した、デンマークほか合作によるドキュメンタリー作品。

 アフガニスタンで生まれ育ったアミンは幼いある日、父がタリバンに連行されたまま戻らず、残った家族と共に命懸けで祖国を脱出した。やがて家族とも離れ離れになり、数年後たった一人でデンマークへと亡命した彼は、30代半ばとなり研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていた。だが、彼には恋人にも話していない、20年以上も抱え続けていた秘密があった。あまりに壮絶で心を揺さぶられずにはいられない過酷な半生を、親友である映画監督の前で、彼は静かに語り始める…。

 主人公アミンをはじめ周辺の人々の安全を守るため、アニメーションで制作された本作。いまや世界中で大きなニュースになっているタリバンとアフガニスタンの恐ろしい現実や、祖国から逃れて生き延びるために奮闘する人々の過酷な日々、そして居場所を奪われることがいかに人間の尊厳を傷つけるのかを、時に美しく、時に残酷に描き出す。

 自身も迫害から逃れるためにロシアを離れたユダヤ系移民であるヨナス・ポヘール・ラスムセン監督はインタビューで、「難民であることはアイデンティティではありません。それは誰にでも起こりうる状況です。アミンは難民ですが、彼はそれだけではありません。彼は学者であり、家の所有者であり、夫なのです」と語っている。

 昨年のサンダンス映画祭でワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門のグランプリ、アヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞するなど、2月28日現在、各国の映画祭で69受賞144部門ノミネートという圧倒的な評価を獲得。3月28日に行われるアカデミー賞授賞式での受賞にも期待が掛かっている。

 アニメ映画『FLEE フリー』は、6月全国順次公開。

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