全編“犬の目線”でいつもの街の風景さえも新鮮に 『ストレイ 犬が見た世界』本編冒頭映像
トルコ・イスタンブールの街で暮らす野良犬たちを、犬の視点から捉えたドキュメンタリー映画『ストレイ 犬が見た世界』より、本編冒頭映像が解禁された。
【動画】犬目線で映し出される映画『ストレイ 犬が見た世界』本編冒頭映像
2004年以降、路上動物の殺処分と捕獲が禁止されているトルコ・イスタンブール。ここで暮らす野良犬たちは、ごく自然に人間と共存している。自立心が強くいつも単独行動の犬ゼイティン。フレンドリーで人懐っこく、街ゆく人たちに挨拶を欠かさない犬ナザール。そしてシリア難民の心の拠り所になっている愛らしい表情の子犬カルタル…。
本作は、そんなトルコを旅した愛犬家のエリザベス・ロー監督が、犬ゼイティンと偶然に出会い、「何か目的を持っているところに惹かれ追いかけた」ことをきっかけに生まれたドキュメンタリー。Hot Docs カナダ国際ドキュメンタリー映画祭にて、最優秀国際ドキュメンタリー賞を受賞した。自由に街を歩き人間との共存社会を築いている犬たちに密着し、犬目線のカメラで追い続けたその先には、人間社会が持つ様々な問題と愛に満ちた世界が同時に映し出されていた-。
冒頭映像には、近年野良犬を見かけることがなくなった日本人から見ると、驚いてしまうような風景が映し出されている。まずローアングルのカメラが捉えるのは、トルコ・イスタンブールの街中で交通量の多い車道の路肩にたたずみ何かを見つめている主人公の犬ゼイティンの後ろ姿。続いて、ボスポラス海峡の砂浜で寝ている犬や、海を眺めている人間たちのすぐ傍でじゃれている犬。さらに、遺跡、歩道、公園などあちこちを自由に闊歩し、縦横無尽に駆け回る犬たちを捉えている。
その後「トルコ当局は1909年から野犬の駆除に乗り出し、イスタンブールで大量殺害を招いた。抗議の声が広がった結果、現在のトルコは野犬の安楽死や捕獲を違法とする希少な国となった」という説明が。そして、冒頭で車道の路肩にたたずんでいたゼイティンが見つめていた、多くの車が行き交う橋とイスタンブールの街が映し出されるところで映像は終わる。果たして、10万匹以上の野良犬が自由に生きる街で、犬たちは何を考え、何を見つめているのか。続きが気になるプロローグとなっている。
映画『ストレイ 犬が見た世界』は3月18日より全国順次公開。