『スター・トレック』ウフーラ役ニシェル・ニコルズさん死去、89歳 ウィリアム・シャトナーら追悼
1960年代に放送された米ドラマ『スター・トレック/宇宙大作戦』とオリジナル版『スター・トレック』映画シリーズでウフーラを演じたニシェル・ニコルズさんが亡くなった。89歳だった。ウィリアム・シャトナー、J・J・エイブラムスら、『スター・トレック』の関係者が追悼コメントを出している。
【写真】ニシェル・ニコルズさん 『スター・トレック2/カーンの逆襲』より
Varietyによると、二シェルさんは現地時間7月30日、米ニューメキシコ州シルバー・シティにて息を引き取ったそう。彼女のタレントエージェントで、15年に渡ってビジネスパートナーだったギルバート・ベル氏が発表した。
ニシェルさんは、1932年、米イリノイ州ロビンスの生まれ。1966年に放送を開始した人気ドラマシリーズ『宇宙大作戦』と、これ以降のオリジナル『スター・トレック』シリーズ作品で、エンタープライズ号に勤務する宇宙艦隊士官のウフーラを演じたことで知られる。
舞台女優としても活躍し、シカゴの演劇賞であるサラ・シドンズ賞に2度ノミネート。『スター・トレック』終了後はNASAのもと、女性やアフリカ系の宇宙飛行士養成に尽力した。1991年にはアフリカ系女優として初めて、ハリウッドにあるTCLチャイニーズ・シアターに手形とサインが刻まれている。
アフリカ系のニシェルさんが、主要キャラクターのウフーラを演じたことは当時画期的で、ブロードウェー出演のため降板を検討した際は、ドラマのファンであるキング牧師から、アフリカ系俳優にとって非常に重要なことであると、考え直すよう説得されたという。また、白人男優のウィリアム・シャトナー演じるカーク艦長とのキスシーンは、アメリカのテレビ史上初めての異人種間のキスシーンの一つとされている。
二シェルさんの訃報を受け、ウィリアム・シャトナーはツイッターにて声明を発表。「ミシェルの訃報を受け、悲しみに暮れています。彼女は美しい女性で、アメリカと世界中で社会問題を再定義する立派なキャラクターを演じました」と称賛した。
また、新シリーズを手掛けたJ・J・エイブラムは、「非凡な役を演じた非凡な女性でした。二シェル、あなはたずっと偲ばれることでしょう。愛とリスペクトを込めて」とツイートした。
このほか、ドラマでヒカル・スールー役を演じたジョージ・タケイや、J・J・エイブラムス版『スター・トレック』のカール・アーバン、『新スター・トレック』のマリーナ・サーティス、そしてNASAからも追悼のコメントが出されている。