写真総点数545枚! 綾野剛の肖像作品集発売 写真家・操上和美が撮影
写真家・操上和美による綾野剛の肖像作品集『Portrait(ポートレート)』が、幻冬舎より2023年1月26日に発売されることが決定した。39歳の綾野が役者として刻々と変化する姿を収めた、写真総点数545枚、全560ページの圧倒的なスケールの肖像作品集となっている。
【写真】アートワークのような美しさを持った見本写真
綾野は、2003年にドラマ『仮面ライダー555』で俳優デビュー。2011年に連続テレビ小説『カーネーション』で一躍注目を集め、その後もドラマ『最高の離婚』『八重の桜』『空飛ぶ広報室』に立て続けに出演し、第22回橋田賞新人賞を受賞した。また、映画『横道世之介』『夏の終り』で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2014年には主演映画『そこのみにて光輝く』で、第88回キネマ旬報ベスト・テン、第36回ヨコハマ映画祭、第69回毎日映画コンクール、第24回日本映画批評家大賞、第29回高崎映画祭などで主演男優賞を総なめにした。そして2022年も、TBS日曜劇場『オールドルーキー』で主演を務めるなど活躍を続けている。
この写真集は、そんな綾野が、日本を代表する写真家の操上に「30代最後の、今の自分を撮ってほしい」と切望したことにより生まれた。この時、1982年1月26日生まれの綾野は39歳、1936年1月19日生まれの操上は85歳を迎えていた。ちなみに完全受注生産となる本作の発売予定日は、綾野の誕生日から決められている。
制作決定後、綾野と繰上は、毎月一度、同じスタジオ、同じポジションで、定点観測のような撮影を敢行。春先から真冬まで、火花を散らすような濃密な8ヵ月を経て、役者として刻々と変化し続ける綾野の顔を見事に収めた。アートデレクターは、操上の盟友とも言える葛西薫が担当。写真点数545、総ページ数560頁、厚さ4センチ、重さ約1.2kgという圧倒的スケールの作品に仕上がった。
綾野は、写真界の巨匠・繰上について「スタジオに初めてお邪魔した時、とある男性の写真に出会ったんです。その肖像写真はなんというか“写っている”のではなく、ただそこに“存在”していました。そしていつ撮られた写真なのか全く分からなかったんです。なぜなら時間が、時代が写っていなかったんです。ふとある言葉を思い出しました。役者を始めた頃『写るのではない。ただそこに居ればいい』。僕自身の創作の原点だったと思い出しました」と、その作品から大きなインスピレーションを受けたことを明かす。
今回の肖像作品集については「物語もなくフィクションも存在しない削がれたところから表現を学んでいく。ポートレートという世界に身を投じることによって原点に立ち返れました。操上さんとの挑戦という名の決闘の日々は、作品と自身と他者と向き合うことの大切さを改めて教えて頂きました」と語っている。
一方、繰上も撮影当時を振り返り「30代最後の、40歳までの今の自分を撮ってほしい、と言うことでした。そこで1ヵ月に一度、情景も何も排除して、定点観測のように顔だけを撮り続けた。コートを着た彼が車から降りてスタジオに入ってきて、マスクを着けた、そのままスッとカメラの前に立つ、というようなこともあった。その時々の役柄や、私生活を通じて顔も身体もどんどん変化する、その変化のプロセスが面白い。顔だけに集中することで、どれだけ全体を出せるか、深みに入れるか。ある種、実験的でもありました」とコメント。
さらに「撮影中に突然、彼が涙を流したことがありました。私はそれに反応して、静かにシャッターを切り続けました。そういう風に感情の起伏がある人間としての綾野剛。彼がなぜ泣いたかとか、もちろん知りませんし聞きません。しかし、とても印象深かった」と貴重なエピソードも明かしている。
綾野剛肖像作品集『Portrait』(完全受注生産)は、幻冬舎より2023年1月26日発売予定。予約は9月5日から11月7日まで。価格は9900円(税込)。