帝国劇場、2025年に一時休館 再開発のため建て替えへ
東宝は、同社が経営する帝国劇場(東京都千代田区丸の内)を建て替えのため、2025年をめどに一時休館すると発表した。
【写真】格調高い雰囲気を持つ帝国劇場内観
帝国劇場の入る帝劇ビルは、竣工から約56年が経過しており、この度、共同所有する出光美術館および隣接する国際ビルを所有する三菱地所と共同し、一体的に建て替えることが決まった。建て替え後のビルで、新たな帝国劇場の再開を予定している。
初代帝国劇場は、1911(明治44)年、日本初の本格的な西洋式大劇場として、現在と同じ東京・皇居前に誕生。1940(昭和15)年から東宝の直営劇場となり、1955(昭和30)年には日本初のシネラマ上映館に転換、1964(昭和39)年に休館した。
1966(昭和41)年に開場した現在の2代目帝国劇場は、東宝専務取締役で劇作家の菊田一夫の陣頭指揮により、名著『風と共に去りぬ』の世界初の舞台化を想定して建設された。国内で類を見ない大規模な舞台機構、最新鋭の音響照明設備を有し、『屋根の上のヴァイオリン弾き』『王様と私』『ラ・マンチャの男』『マイ・フェア・レディ』といったミュージカル路線の推進とともに、歌舞伎から大衆演劇まで幅広いジャンルの演劇興行を行ってきた。
その後、大作ミュージカルのエポック・メイキング『レ・ミゼラブル』(1987年初演)と『ミス・サイゴン』(1992年初演)、『エリザベート』と『MILLENNIUM SHOCK』(現『Endless SHOCK』、ともに2000年初演)といった現在に至るまで再演を重ね続けている人気レパートリーに加え、『ローマの休日』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』『王家の紋章』などオリジナル・ミュージカルの成功により、帝劇は最新かつ最高峰のミュージカル発信地として知られるようになった。
今年は日本アニメーションの不朽の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化が大きな話題を呼び、来年には人気コミックを舞台化する『キングダム』『SPY×FAMILY』の上演も控えている。