可愛い猫いっぱい 『猫たちのアパートメント』、メイキング&監督コメント到着「一匹でも多くの猫を救おう」
ドキュメンタリー映画『猫たちのアパートメント』のチョン・ジェウン監督から、日本の観客へのメッセージが、本作撮影時のメイキング写真と共に到着した。
【写真】監督が猫じゃらしで猫と遊ぶメイキング写真
本作は、ソウル市内にあるマンモス団地の住民たちによる猫引っ越し作戦を、四季を通じて2年半にわたって捉えた温かなドキュメンタリー。
ソウル市内・江東区のかつてアジア最大と呼ばれたマンモス団地。老朽化で再開発が決まり、少しずつ住民の引っ越しや取り壊し工事が進んでいる。そこには住民に見守られて250匹の猫たちが暮らしていた。猫たちのこれからはどうなるのか? 猫と住民によるお引っ越し大作戦が始まる。
団地に住むイラストレーターや作家、写真家などの女性たちが中心となって活動する「遁村(トゥンチョン)団地猫の幸せ移住計画クラブ」(略称・トゥンチョン猫の会)は、住民のさまざまな意見を聞く会を催し、猫たちの顔を見分けるために写真を撮り、イラストを描いてパンフレットを作る。猫たちを再開発地域から安全な場所に移住させる。そんなささやかな営みから、猫という存在を通して、私たちが暮らす街や社会の矛盾や変化、未来へのヒントが見えてくる。
チョン・ジェウン監督は、20代の女性5人の友情、夢や恋、挫折、拾った子猫との関係をみずみずしく描いた『子猫をお願い』(2001年)でデビュー。「トゥンチョン猫の会」のメンバーも「『子猫をお願い』は私たちの世代では知らない人がいないほど有名な映画で、その監督にぜひこの団地と猫を記録して欲しいという思いがあった」と語る。最新ドキュメンタリーの本作では、巨大団地の解体を背景に、2年半に及ぶ撮影を通じ、自由気ままに団地を闊歩(かっぽ)する個性豊かな猫たちの姿を、地面スレスレに構えた猫目線のカメラで生き生きと描き出す。
チョン・ジェウン監督は「『猫たちのアパートメント』は、野良猫たちの苦労を見せるための映画ではありません。観るとつらい気持ちになるんじゃないかなと心配しないでください。猫たちを不幸な存在としては描きませんでした。むしろ、一匹でも多くの猫を救おうと努力する、私たちの善意の記録と言えます。住人はアパートを去りましたが、その時から『猫たちのアパートメント』が始まりました。数年間にたくさんの猫と出会い、たくさんの事件もありました。すべてをお伝えすることはできないので、この映画を贈ります。『猫たちのアパートメント』をどうぞよろしくお願いします」とのメッセージを寄せた。
映画『猫たちのアパートメント』は、12月23日より全国順次公開。