6人の奇妙な関係を描く台湾映画、『青春弑恋』日本公開決定　特報＆ビジュアル公開

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公開日：2023/1/10 12:31

6人の奇妙な関係を描く台湾映画、『青春弑恋』日本公開決定　特報＆ビジュアル公開の

　台湾のホー・ウィディン監督作『青春弑恋（せいしゅんしれん）』が、3月24日より全国順次公開されることが決定。併せて特報と日本版ビジュアルが解禁された。

【動画】映画『青春弑恋』特報映像

　本作は、エドワード・ヤン監督によるポストモダンの傑作『恐怖分子』（1986年）で描かれた、何の接点も持たない人々たちの間の奇妙な連鎖反応を描いた群像劇と同テーマを、デジタル時代にアップデートし、都市のミレニアル世代の若者の欲望と苦悩を野心的に描く。2021年トロント国際映画祭ワールドプレミア上映で公開されるや高い評価を受け、同年の東京国際映画祭決定が決まるやチケットは完売した。

　物語は、一見何の関係もない6人が互いに影響し合い、オンラインゲーム、インフルエンサー、ポルノ、コスプレ、妄想、刀、恋愛のもつれをベースに、台北駅の無差別殺人事件に巻き込まれていく。ここ数年、台湾の映画やテレビでは、若者が犯した凶悪な公共犯罪の後日談を取り上げることが繰り返されるようになった。その事例を要とし、刺殺事件をきっかけに交錯するZ世代ティーンエイジャーたちの人生に焦点を当てた。

　主演は、心に闇を抱え権力を振るうストーカー役で強烈な毒気を放つリン・ボーホン。ジャッキー・チェンと共演した『ナイト・オブ・シャドー魔法拳』（2020年）など国際的に活躍する台湾期待の俳優だ。共演はムーン・リー。Netflixオリジナルシリーズ『次の被害者』（2020年）で台湾のエミー賞と言われる「金鐘奨（ゴールデン・ベル・アワード）」最優秀新人賞を受賞。本作では心に孤独を抱える女性を情感たっぷりに演じている。

　撮影は『幸福都市』（2018年）でホー・ウィディン監督とタッグを組んでいるジャン・ルイ・ヴィアラール。監督がイメージする大都会・台北の光と影を登場人物の心の機微とあわせて美しく描写している。劇中に流れる音楽はショパンの「夜想曲（ノクターン）」。

　特報では6人の奇妙な関係模様が描かれている。刀を抜く男のシーンから始まり、刀を研ぎ、冒頭から危険を感じさせる。

　電話ボックスの中で抱き合う男女、ガラスを割っても口を聞かない男女、さらにショパンの曲も相まって青春のもろさも強調されている。「女は積極的な男が好きよ。機会を作ってアプローチしなさいね。」とマッサージ師に言われた男は、ほれた女の部屋をのぞきに行くという恐怖の行動に出る。電車の中では女の前に現れ「俺の恋人だ」と叫び散らかし、「赤の他人よ！」と恐怖心におびえながら叫ぶ女。ラストでは男が刀を持って台北駅に現れ、悪夢が始まる瞬間が映し出されている。

　映画『青春弑恋』は、3月24日より全国順次公開。