ソ連史上、最凶の連続殺人鬼を追う―実話に基づくサイコスリラー『殺人鬼の存在証明』5.3日本公開決定
実在する連続殺人犯をモデルに描くロシア発サイコスリラー映画『KAZN(原題)/THE EXECUTION(英題)』が、邦題を『殺人鬼の存在証明』として5月3日より公開されることが決定。併せて予告編、ポスタービジュアルも到着した。
【動画】犯人は、まだ捕まっていないー『殺人鬼の存在証明』予告編
本作は、ソビエト連邦時代の実際の殺人事件を基に描くサイコスリラー。監督・脚本を担当したラド・クヴァタニアは、リーボック、フォルクス・ワーゲン、Googleなどの有名ブランドとの仕事や、カニエ・ウェストなどアーティストのミュージックビデオ、短編映画の監督を経て、今作で長編監督デビュー。シッチェス・カタロニア映画祭やロッテルダム映画祭などで正式上映され話題を呼んだ。
1991年、負傷した女性が森の近くで保護される。女性の証言から、彼女が受けた暴行が10年以上殺人を続けていた連続殺人犯の手口に酷似していることが明らかになり、さらに1988年に捕まっていた犯人は誤認逮捕だったことが判明する。新たな容疑者であるアンドレイ・ワリタ(ダニール・スピヴァコフスキ)を追い詰めた捜査責任者のイッサ(ニコ・タヴァゼ)は、尋問をする中でワリタがそれまでの連続殺人事件の真犯人だと確信していくが、彼の口から驚愕の真実を聞かされることになる…。
クヴァタニア監督は本作を制作するにあたり、数々の連続殺人犯の事件を研究し、当時働いていた刑事や精神科医、犯罪学者にインタビューをしながら連続殺人鬼の人物像を組み立てていった。特に「赤い切り裂き魔」「ロストフの殺人鬼」の異名を持ち、1978年から1990年にかけて52人を殺害した容疑で逮捕された、旧ソビエト連邦史上最悪の殺人鬼と呼ばれるアンドレイ・チカチーロには大きな影響を受けたという。生まれた年、生い立ち、殺人を犯していた期間、教員として働いていたこと、勃起不全、離婚歴あり、逮捕歴あり、刃物を使っての刺殺など、チカチーロと作品の犯人との共通点は数多い。
また、1985年にチカチーロの捜査指揮官に任命されたのは、イッサ・コストエフという当時の検察庁長官。映画に登場する捜査責任者のイッサ・ダヴィドフは彼をモデルにしており、当時は採用していなかった精神科医への捜査協力や、彼が指揮官に任命されてからの捜査経緯などが劇中でも詳しく描写されている。
予告編は、連続殺人犯に襲われるも生還した女性が保護されるところから始まる。「犯人は私を殴って、口に土を詰め込んだ」と語る被害者。「犯人は平凡な男だ。奴は運がいいから、捕まらない」と言って不気味に笑う男。36人を殺害した犯人を追う捜査責任者のイッサは、新たな容疑者ワリタを尋問していく。
「遺体は書類と同じだ。お前の署名があった」と詰め寄るイッサに、「書類は偽造できる」と語るワリタ。2人の緊迫感あふれるやりとりや、凄惨な殺人シーンなど緊迫感あふれる映像が次々と映し出され、最後は「容疑者はここにいるのに、殺人が起きた。追い詰めたのは、真犯人か?」「最悪の事態を受け入れる過程は5段階。『否認』『怒り』『取引』『抑うつ』『受容』」という意味深なセリフで締めくくられている。
ポスタービジュアルは、イッサの背後に、鋭い眼光を放つ男や不気味なマスクをかぶった男が並んだもの。横には「36人を殺害した犯人は、まだ捕まっていない――」というコピーが添えられている。
映画『殺人鬼の存在証明』は、5月3日より全国公開。