神山健治監督、アニメ映画『ロード・オブ・ザ・リング』に自信「初めて公開された時の驚きをこの作品でも見せたい」
アニメ映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』制作報告会見が11日、都内で開催。神山健治監督と製作プロデューサーのジョセフ・チョウ氏が登壇し、本作への思いを語った。
【写真】ジョセフ・チョウ製作プロデューサーと会見に登場した神山健治監督
J.R.R.トールキンの原作を基に、ピーター・ジャクソン(監督/共同脚本)によって映画史にその名を刻んだファンタジー超大作『ロード・オブ・ザ・リング』3部作。その最終章「王の帰還」日本公開から20年の時を経て、『ロード・オブ・ザ・リング』の知られざる200年前の物語が、初めて映画化される。
本作がアニメ映画化する経緯を聞かれたジョセフ氏は「私は20年前、ワーナーのロサンゼルス本社に勤めていて、『マトリックス』のアニメ化した作品などに参加していたんです」と告白。そして「『アニマトリックス』がすごく良い実績を出したので、ワーナーは大きなIPをアニメ化することに興味を持っていたと思います」と話し、「『ロード・オブ・ザ・リング』はどう、という話が上がってきて『まさか』と実は思っていて。SF作品をアニメ化しようというのは結構あったんですけれども、こういった作品を日本のアニメとして挑戦してみるということはなかなか今までなかった。個人的にも想像していなかった」と打ち明けた。
また、本作を手掛けることになった神山監督は「もちろん『これは本当に大変なことになったぞ』と思いましたけど、『ロード・オブ・ザ・リング』の3部作、『ホビット』も含め本当に大好きな映画で作品を見ていましたし、『それを自分で映画として作れるのか』という喜びが『大変だろうな』ということを上回っていた」と吐露。続けて「『ロード・オブ・ザ・リング』を監督できるなんて、こんなチャンスは生涯なかなかないだろうと思ったので、これはやるべきチャレンジだなと思いました」と口にした。
本作は、ピーター・ジャクソン監督による『ロード・オブ・ザ・リング』3部作の世界観に繋がる内容になっているという。神山監督は「(3部作の)映画とどう繋げようかみたいな仕掛けもあって。映画を見ている大ファンからすると『こんなところにこんな仕掛けが』みたいな、ニヤッとするようなものも仕掛けられたと思います」と予告した。
さらにこの日は、本作の日本語吹替版キャストとしてすでに発表されている市村正親、小芝風花、津田健次郎に加え、追加キャストの中村悠一、坂本真綾、斧アツシ、森川智之、入野自由、山寺宏一、沢田敏子、大塚芳忠、飯泉征貴、勝部演之を発表。神山監督は本作の吹替版について「先に英語版を作って、日本の声優さん、役者さんに演じてもらうということで、洋画の吹き替えに近い」と語りつつ、「ちょっと感覚として不思議な感じではあるんですけど、改めてやってみるとすごくしっくりくる。やっぱり演出しているのが日本人の僕なので」と伝えた。
最後に神山監督は「海外向けとかではなくて、本当に日本のファンにたくさん見ていただきたい」と呼びかけ、「とにかく『すごい』『見たことないぞ』というものをみんなに見てもらいたいという思いで作っています。『ロード・オブ・ザ・リング』が初めて公開された時の驚きをこの作品でも見せたいんだという情熱で作っていました。それに恥じない作品を作れたんじゃないかなと思います」と胸を張った。
アニメ映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』は、12月27日より全国公開。