“人生は予測できない魔法で溢れている”――原田琥之佑主演×横浜聡子監督『海辺へ行く道』特報&ビジュアル解禁

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第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門特別表彰を獲得した、横浜聡子監督最新作『海辺へ行く道』の公開日が8月29日に決定し、特報とティザービジュアルが解禁。併せて、ラップトリオDos Monosのフロントマンである荘子itが、本作で初の映画音楽を担当することも発表された。
【動画】“予期せぬ出来事と出会う人生の幸福”――『海辺へ行く道』特報映像
本作は、漫画家・三好銀の最高傑作と名高い「海辺へ行く道」シリーズの映画化。2023年の夏にオール小豆島ロケを実施し、特有の陽光や海と空に囲まれた絶好のロケーションを活かして撮影された。脚本・監督は、『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』『いとみち』の横浜聡子。
アーティスト移住支援をうたう、とある海辺の街が舞台。のんきに暮らす14歳の美術部員・奏介とその仲間たちは、夏休みにもかかわらず演劇部に依頼された絵を描いたり新聞部の取材を手伝ったりと毎日忙しい。街には何やらあやしげな“アーティスト”たちがウロウロ。そんな中、奏介たちにちょっと不思議な依頼が次々に飛び込んでくる。
自由奔放な子供たちと、秘密と嘘にまみれた大人たち。果てなき想像力と生命力が乱反射する海辺で、すべての登場人物が愛おしく、優しさとユーモアに満ちた、ちょっとおかしな人生讃歌。
主演を務めるのは、約800人のオーディションを経て主演を勝ち抜いた14歳の俳優・原田琥之佑。原田演じる主人公・奏介の仲間たちとして蒼井旬、中須翔真、山崎七海、新津ちせが出演。彼ら演じる子供たちの周囲で交差する大人たちに、麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、村上淳、宮藤官九郎、坂井真紀。映画監督の諏訪敦彦も俳優として参加している。
本作は、第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門Kplusにて正式上映され、特別表彰を獲得。今年で6回目を迎える日本最大級の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭2025への参加も決定している。なお、同芸術祭での映画の参加は本作が初。映画ながら、現代アート作品のひとつとして芸術祭に参加する稀有な作品となった。
特報映像は、14歳の美術部員・奏介が謎の人物から人魚の造形物の制作を頼まれるシーンから始まる。続いて奏介とその仲間たちが夢中でものづくりをする姿や、あやしい大人たちから不思議な依頼が次々と舞い込んでいく様子が収められ、個性豊かな登場人物と奏介たちが巻き起こす、ちょっとおかしな出来事に期待が高まる。さらに、横浜監督の前作『いとみち』で主演をつとめた俳優の駒井蓮がタイトルコールを担当し、映像に鮮やかな愛らしさを添えている。
ティザービジュアルは、オールロケを敢行した小豆島特有の陽光を十二分に生かしながら、空と海を逆さまに配置し、どちらの青色か一瞬分からなくなるような楽しい構図に仕上げたもの。絵筆を持った逆さまの主人公・奏介と、流木で作られた魚のようなアートも印象的だ。「人生は予測できない魔法で溢れている」というキャッチコピーが添えられ、本作の世界観を伝えると共に、なにか良いことが起こりそうな、人生へのささやかな予感を期待させる。デザインを手掛けたのは、国内外の多くの映画ポスターを手掛けるアートディレクターの石井勇一。
なお本作の音楽を手掛けたのは、ラップトリオDos Monosのフロントマンである荘子it。今回初めて映画音楽を担当した荘子itは「一見すると朗らかな子どもたちの映画に見えるが、静かに常軌を逸した父性の失調により、底知れぬ不気味さと明るさが共存した前代未聞の映画で、世間からは全く評価されないか絶賛されるかのどちらかだろうな、と思いながら劇伴を作りましたが、初お披露目のベルリン国際映画祭ジェネレーション部門でいきなり望外の評価を受けてとてもとても嬉しいです。皆様も是非it。」とコメントを寄せている。
映画『海辺へ行く道』は、8月29日より全国公開。