パク・チャヌク監督×イ・ビョンホン主演『NO OTHER CHOICE』トロント国際映画祭で国際観客賞受賞

関連 :
パク・チャヌク監督の最新作で、イ・ビョンホンが主演する映画『NO OTHER CHOICE(英題)』が、第50回トロント国際映画祭で国際観客賞(International People’s Choice Award)を受賞した。
【写真】パク・チャヌク監督&主演のイ・ビョンホン、トロント国際映画祭に登場
『オールド・ボーイ』でカンヌ国際映画祭グランプリ、『別れる決心』で同映画祭監督賞を受賞し、常にタブーを打ち破りながら、緻密さと完璧な美学で観客を魅了してきた巨匠パク・チャヌク監督。現代社会に生きる誰もが直面し得る“突然の解雇”という現実を独自の視点で描き出す本作では、『JSA』でタッグを組んだイ・ビョンホンを21年ぶりに主演に迎え、『愛の不時着』のソン・イェジンをはじめとする豪華キャストが集結した。
突然の解雇によって人生が一変し追い詰められていく主人公マンス(イ・ビョンホン)、危機に直面するほど強さを増す妻ミリ(ソン・イェジン)、そしてマンスとポジションを争うライバルたち――それぞれ矛盾や葛藤を抱えたキャラクターたちの関係は、アイロニーとブラックユーモアに満ちた予測不能な展開へと観客を引き込んでいく。
本作は、人が消費される現代社会への鋭い批判が映画祭の幅広い観客の共感を呼び、現地時間9月14日、第50回トロント国際映画祭にて新設された「国際観客賞(International People’s Choice Award)」を受賞した。同賞は今年創設され、北米(カナダ、米国)以外の作品の中から観客投票で最も多くの支持を集めた作品に授与される。
受賞についてパク・チャヌク監督は「公式上映の際に現地の観客の熱い反応を直接受け取っていたので受賞の知らせに驚くことはありませんでした。トロントの観客は私が望んでいた反応を見せてくれた世界最高の観客でした。関係者の皆様とボランティアの皆様に心より感謝申し上げます」とコメントを寄せた。
また、本作で主演を務めたイ・ビョンホンも同映画祭にて、映画界で顕著な功績を残した人物に贈られる「特別功労賞」を受賞。韓国俳優としては初の快挙となった。
米アカデミー賞の前哨戦としても知られるトロント国際映画祭での受賞は、大きな意味を持つ。昨年は観客賞の次点となった『ANORA アノーラ』が作品賞・監督賞などアカデミー賞5冠に輝いており、アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表に選出された本作も、オスカーに一歩近づいたと言える。
韓国では来週9月24日より公開。日本では2026年3月に全国公開される。