ゴダール、ヒッチコックのファン必見!『ライオンは今夜死ぬ』“オマージュ”シーンとは

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『M/OTHER』『不完全なふたり』の諏訪敦彦監督が『ユキとニナ』から8年ぶりに撮りあげた、日仏合作作品『ライオンは今夜死ぬ』。名優ジャン=ピエール・レオが主演を務める本作では、リュミエール兄弟、アルフレッド・ヒッチコック、ジャン=リュック・ゴダールたちへのオマージュシーンを随所にみることができる。
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『ライオンは今夜死ぬ』の主人公は、死を演じられないと悩む年老いた俳優ジャン。ある日、過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエットの住んでいた屋敷を訪ねると、美しい姿のまま幻となってジュリエットがジャンの前に現れる。そして、偶然出会った子どもたちからの誘いによって、突然はじまった映画撮影。次第にジャンは、過去の記憶ともう一度向き合い、忘れかけていた感情を呼び起こし、再び彼の心に生きる歓びの明かりが灯されていく。
本作の魅力の1つは、さまざまな映画へのオマージュシーン。まず舞台となっているのは、バカンスの雰囲気が漂う南仏ラ・シオタ。実はこのラ・シオタは、“映画の父”と呼ばれたリュミエール兄弟が発表した『ラ・シオタ駅への列車の到着』と同じ舞台だ。
次に、劇中ジャンがジュリエットに会いにいくときに抱えている大きな赤い花束は、グラジオラスの花。この花は、“サスペンス映画の神様”と称されるアルフレッド・ヒッチコックの『マーニー』で初めて恐怖心を露にする印象的なシーンに使われている花であり、その強烈なインパクトを覚えていたレオは、この花の使用を提案したという。
そして、ジャンがジュリエットとともに口ずさむ曲は、ゴダールの悲劇映画『ウイークエンド』で出演していたレオ自身が歌った曲で、レオと諏訪監督が初めて顔を合わせた時に二人で一緒に口ずさんだという思い出の曲でもある。
映画『ライオンは今夜死ぬ』は、1月20日よりYEBISU GARDEN CINEMAほかで全国順次公開。