年間74億稼ぐM・ウォールバーグ 『ゲティ家の身代金』で大富豪と対峙

実際に起きた誘拐事件を、巨匠リドリー・スコット監督が映画化した『ゲティ家の身代金』が、5月25日より公開される。身代金の支払いを拒否するという、前代未聞の億万長者に対峙する元CIAの交渉人チェイスを演じるのは、2017年に最も稼いだ俳優1位となったマーク・ウォールバーグだ。
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1973年、“世界一の大富豪”であるアメリカ人石油王ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐される。犯人はイタリア人左翼ゲリラ。しかし、大富豪ゲティがその身代金の支払いを拒否したことで、日本の新聞、週刊誌でも大きく報道された。
ゲティを演じるのは、アカデミー賞俳優クリストファー・プラマー。そして、元CIAの交渉人チェイス役にマーク・ウォールバーグが扮する。
マークといえば、今でこそ『テッド』や『トランスフォーマー』シリーズなどに出演する人気俳優だが、少年時代の彼はコカインとアルコールに溺れて暴行事件を起こすなど、不良という言葉では足りない生活を送っていた。成人刑務所を出所したマークは、一念発起してラップバンドを結成。バンドはビルボードのシングルチャート1位を獲得し、マークはカルバン・クラインの下着モデルを務めるなど注目を集め、俳優デビューを果たす。
2017年にアメリカの大手経済誌「Forbes」が行った「世界で最も稼いだ俳優ランキング」ではロバート・ダウニー・Jrやトム・クルーズを抑えて堂々の1位に君臨。1年間で彼が稼いだのは6800万ドル(約74億円)というとてつもない金額だった。
ところが、ハリウッドスターに上り詰めた彼は、本作『ゲティ家の身代金』でピンチに陥ることになる。当初ゲティ役を演じていた俳優ケヴィン・スペイシーの降板により、再撮影が行われたのだが、その際の男女間の賃金格差問題が浮き彫りになり、マークと主演女優ミシェル・ウィリアムズのギャラには1500倍以上の差があると報じられたのだ。
これを受け、マークはギャラ150万ドル(約1億6000万円)全額をMeToo問題の流れを受けて発足したTime’s Up(セクハラ撲滅運動基金)に、ミシェル名義で寄付。さらに彼の所属するエージェントも追加で50万ドル(約5500万円)を寄付し、マークの行動にミシェルは感謝を述べている。
本作で、マークは主人公をサポートする交渉人役を好演。「脚本を1日4回朗読し、最初から最後まで徹底的に覚え込み、撮影中は余計なことを考えずにすむようにした」と念入りな準備を積んでいたことを明かしている。
劇中では、ゲティに対して「今のあなたは世界の誰よりも金持ちです。どれだけ稼げば充分なんですか?」と問い詰めたり、「世界の誰より金持ちでも惨めなクソ野郎だ!」と啖呵を切るシーンもある。“世界で一番稼ぐ男”と“世界一の大富豪”が対峙するという、一般の感覚からはかけ離れた別次元の戦いに注目したい。
映画『ゲティ家の身代金』は5月25日より全国公開。