他者との対立描く『判決、ふたつの希望』久米宏&茂木健一郎らコメント到着
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レバノン出身のジアド・ドゥエイリ監督の映画『判決、ふたつの希望』から、久米宏、茂木健一郎ら有識者24名のコメントが到着した。
【写真】『判決、ふたつの希望』24名のコメント&裁判傍聴芸人・阿曽山大噴火によるイラスト&新場面カット
本作は、クエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』にアシスタント・カメラマンとして参加した経歴を持つドゥエイリ監督が実体験をもとに描き出した法廷社会派エンターテインメント。第90回アカデミー賞でレバノン史上初となる外国語映画賞ノミネートを果たしたほか、主演俳優のひとりが第74回ベネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した。
レバノンの首都ベイルートの一角で住宅の補修作業をしていたパレスチナ人ヤーセルと、キリスト教徒のレバノン人男性トニーの間に、水漏れを巡っていさかいが発生。両者の間で起きた侮辱的な言動をきっかけに、この対立は法廷沙汰に発展するが、メディアが両陣営の衝突を大々的に報じたため、この小さな事件はレバノン全土を震撼させる騒乱へとエスカレートしていく。
自分とは違う歴史、考え、価値観を持つ他者との対立と、その先にある共存への一筋の希望の光を見出す本作の人間ドラマに対し、著名な有識者24名のコメントが寄せられている。
報道番組『ニュースステーション』(テレビ朝日系)のメインキャスターを務めていた久米宏は、「パレスチナの人々の今の暮らし、日常を初めて見たような気がする。歴史やニュースで知っている重圧が、このような形でのしかかっているのか」と、パレスチナの民衆が直面している困難に言及。
脳科学者の茂木健一郎は「ささいな口論が『炎上』して国を二分した時、和解をもたらしたのは小さな勇気だった。何が真実かわからない時代、粘り強い対話だけが絡まった縦糸横糸をほぐす」とコメントし、「この物語は、私たち自身にとっての希望の光だ」と訴えている。
『漫画 君たちはどう生きるか』が200万部を突破した漫画家・羽賀翔一は、「小さな、けれど重い石を水面に投げるような映画だ。僕たちはその波紋が広がっていくのを見ながら、『投げられた石』について考えずにはいられない」と語り、弁護士の北村晴男氏は「本来は平凡な市民同士の些細なトラブルに過ぎなかったものが、法廷を舞台に大きな紛争に発展していく。『謝罪さえあれば!』と思わずにはいられない。悲劇の裏に潜む社会と個人の歴史。そこに解決の道筋はあるのか」とメッセージを寄せた。
ほかにも、観察映画『港町』『THE BIG HOUSE』を手がけた映画作家・想田和弘や、著書『それでも、海へ 陸前高田に生きる』のフォトジャーナリスト・安田菜津紀、エジプト出身のタレント・フィフィらからも真摯なコメントが集まっている。
映画『判決、ふたつの希望』は8月31日より全国公開。
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