門脇麦、主演作『チワワちゃん』で見せる役者としての力量

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女優の門脇麦が主演を務める映画『チワワちゃん』から、メガホンをとった26歳の新鋭・二宮健監督と門脇のコメントが到着。二宮監督は門脇について「こちらの複雑な要求を理解できる聡明な人」と評している。
【写真】初公開カットも『チワワちゃん』場面写真
本作は『へルタースケルター』『リバーズ・エッジ』などの作品で知られる岡崎京子の同名コミックを実写化した青春映画。仲間たちのマスコットだった“チワワちゃん”の死をきっかけに揺れる若者たちの姿を描く。主人公のミキを演じる門脇のほか、チワワちゃんの元彼・ヨシダを成田凌、ヨシダの親友カツオを寛一郎、チワワちゃんの親友ユミを玉城ティナ、チワワちゃんを新人女優の吉田志織、チワワちゃんに想いを寄せるナガイを村上虹郎が演じる。
門脇演じるミキは、物語の中心人物として“確固たる存在感”が要求されると同時に、“若者の群像の中のひとり”として、周囲と平等に存在できる必要があるキャラクター。また、ミキの行動原理は複雑で、本人もはっきりと自覚していない中で何かに導かれ動いていることが多い。二宮監督は門脇について「そのような(相反する要素が両立する)佇まいができて、こちらの複雑な要求を理解できる聡明な人」とコメント。
さらに「(本作のプロデューサーを務める)岡田真さんは(門脇が注目を浴びるきっかけとなった映画)『愛の渦』のプロデューサーでもあります。当時、新人だった門脇さんを抜てきした方が、新たな新人(吉田志織)をメインに添えた作品で、主演に門脇さんを迎えるのは、とても興味深いことだなと思いました」と語る。まるで門脇が今回の役を演じるのは必然だったようだ。
そうした流れで選ばれた門脇は、今作で複雑なキャラクターを演じるのと同時に、現場で若い役者同士や、監督と役者たちをつなぐ役割も担っていたという。門脇は「今回一番歳上で、撮影も大変だろうなと思っていたので、自分が絶対縁の下の力持ち的な所に行かなきゃなと思っていました。その為にも監督と繋げるとかそういう役割を出来るのは自分かなと思って、一生懸命コミュニケーションを取ったりしていました」と現場にいた時の心境を語る。
また、観客が主人公のミキに寄り添って共感できるために、撮影中に何度も監督と話し合あったという門脇。その話し合いの中で急きょ撮影中に設けた、若者が遊ぶシーンについて「あのシーンはモンタージュになっていますが、台本ではト書き1行位しかありません。そういうシーンの撮影では、カメラの裏の人間関係が持ち出されてしまうので、それぞれの性格を把握して、誰が口火を切るのか、調子に乗せていくのは誰なのか、しっかりとした枠組みの中で撮影しないと崩れてしまうと思う、と監督に伝えて何回もリハーサルをしました」と述懐。二宮監督も、門脇の協力的な姿勢に何度も助けられたと話しており、作品全体に目配せする、座長のような貫禄を見せていた。
映画『チワワちゃん』は2019年1月18日より全国公開。