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あたらよ、初の映画主題歌「僕らはそれを愛と呼んだ」に込めた想い

映画

「あたらよ」のボーカル ひとみ
「あたらよ」のボーカル ひとみ クランクイン! 写真:高野広美

 エモーショナルな歌声と共感を呼ぶ歌詞で瞬く間に話題となったバンド「あたらよ」。今回「あたらよ」は『スパイスより愛を込めて。』の主題歌を担当し、バンドとしても初となる書き下ろしの楽曲「僕らはそれを愛と呼んだ」を歌唱した。クランクイン!は、そんな「あたらよ」のボーカル ひとみにインタビューを実施。楽曲制作の裏側から、ひとみにとって「なくては生きていけないもの」、影響を受けたアーティストなどをたっぷりと語ってもらった。

■ひとみが「僕らはそれを愛と呼んだ」に散りばめた思い

――主題歌の話が来た時の率直な気持ちを教えてください。

ひとみ:「あたらよ」として初の映画主題歌だったので、メンバー一同、嬉しいなあという気持ちでした。瀬木監督が「あたらよ」の「夏霞」という楽曲を気に入ってくださり、それをきっかけに主題歌を依頼してくれたと聞きました。わたしたちの楽曲を好きになった上でお話をいただけたことがすごく嬉しかったです。

――今回書き下ろした「僕らはそれを愛と呼んだ」に込めた思いはありますか。

ひとみ:「僕らはそれを愛と呼んだ」の“それ”の部分を楽曲中にいろいろと散りばめました。愛ってなんだと聞かれてもパッと答えられるようなものではありませんが、私が想うものを楽曲の中に込めています。例えば歌詞の中の「でこぼこなままでいい」というところは、体と心が傷ついてもトゲトゲしてぼこぼこしている君を包み込みたいというイメージで書きました。

――今回の曲のインスピレーションは脚本から得ていますか。

ひとみ:監督さんからは自由に書いてくださいと言われていて、何なら映画に寄り添いすぎないでほしいという話でした。事前に映画のトレーラー映像や資料を見てはいましたが、普段の「あたらよ」らしい曲を素直に書いた感じです。ですからインスピレーションとしては割と内側から出てくるものが多かったように思います。

――「あたらよ」がYouTubeで公開しているミュージックビデオには、世界各国から反響がきていますね。

ひとみ:やはり嬉しいですよね。今は翻訳機能がついているので、それを使ってコメントを読んでいますが「歌詞はわからないけど、なんかこの曲はすごく好きだ」みたいなコメントもたくさんあって。たとえ言葉の意味が伝わらなくても楽曲の良さや思いは伝わっていると知り、音楽って不思議だなと思いましたね。

――この楽曲もいろんな方からの感想が届くことになると思いますが、ひとみさんはどんなところを受け取ってほしいですか。

ひとみ:私がよく言っていることがあります。それは、受け取る人の手に曲が渡った時点で、聴き方はその人の自由だということ。今回私は“愛”について歌ったし、そういうことを歌詞に込めましたが、全く別のものに聴こえたとしたらその気持ちを大事にしてほしいと思っています。自由に聴いてほしいですね。

■即興だからこそ生まれたリアルな言葉

――では普段、作詞される際に大切にしていることがあれば聞かせてください。

ひとみ:あまり歌詞をこねくり回さないようにしています。私が曲を作る時はギターやピアノでコードを鳴らしながらボイスレコーダーで録音し、即興で歌っていくんですよ。そのときには、言っていることはぐちゃぐちゃでもいいから、とりあえず吐き出すようにしています。後から辻褄を合わせていく作業をするときにも、カッコつけないようにしています。即興で歌った時に出てきたものが自分の内側からのリアルな言葉だと思っているので、なるべくそのまま使うようにします。自分の感情の生っぽさを優先したくてなるべく書き直すようなことはしないようにしています。

「あたらよ」のボーカル ひとみ クランクイン! 写真:高野広美

――即興で曲を作るときには、メロディや歌詞を変えて何パターンか録ることもあるのでしょうか。1テイク目はこのメロディやこの歌詞にしてみたけれど、2テイク目はちょっとメロディを変えてみようかなとか。

ひとみ:全然あります。何テイクか録って聞き直した中で、それぞれのテイクの良い部分を合体させて作っていますね。だから「僕らはそれを愛と呼んだ」も同じコード、同じ雰囲気で別のパターンのメロディと詞が同時に存在しているんです。

――すごい。それは贅沢なデータですね。

ひとみ:あまり人に見せる機会はありませんが。いつか、その余りものだけのアルバムを自分で作ってみたいです(笑)。

――メンバーの皆さんが最初に「僕らはそれを愛と呼んだ」を聞いた時の反応はいかがでしたか。

ひとみ:デモを送ったときに、ギターのまーしーがLINEで「すげえいいじゃん」って一言だけ送ってきてくれました。

――バンドメンバー同士、お互いにリスペクトがありますよね。

ひとみ:メンバーは、私の楽曲には基本的に肯定派なんですよ。ひとみがいいって言ってるんだったらいいみたいな感じなので、そこは信頼してもらえているかなと嬉しいですね。この楽曲に関しては珍しく「すげえいいじゃん」とコメントがきたので、とても気に入ってくれたんだと思います。

――送った楽曲をメンバーが気に入っているかどうかは、察するものですか?

ひとみ:わかりますね。割と顔に出やすい2人なので(笑)、リアクションでわかります。

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映画「スパイスより愛を込めて。」予告編

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