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8.30で52歳に! 『バック・イン・アクション』で10年ぶりに女優復帰を果たすキャメロン・ディアスがハリウッド女優になるまで【ハリウッド最前線「第7回」】

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2024年8月30日に52歳の誕生日を迎えるキャメロン・ディアス(2016年撮影)
2024年8月30日に52歳の誕生日を迎えるキャメロン・ディアス(2016年撮影) (C)AFLO

 米ロサンゼルスを拠点に様々なメディアで活動している映画ジャーナリスト・猿渡由紀さんの連載がクランクイン!でスタート。第7回は、8月30日に52歳の誕生日を迎える「キャメロン・ディアス」にフォーカスしたコラムをお届けします。

■モデルからハリウッド女優へ!

 8月30日は、キャメロン・ディアスの誕生日。この日で彼女は52歳になる。

 ハリウッドでもトップクラスの人気女優だが、2014年12月に公開されたミュージカル『ANNIE/アニー』以来、ディアスはもう10年も映画に出ていない。2015年1月にミュージシャンのベンジー・マッデンと結婚した後、エージェントに「仕事の話はもう持ってこないで」と本人が頼んだせいだ。しかし、11月にNetflixが配信する『バック・イン・アクション』で、ついに久々の復帰を果たす。アクションコメディ映画とあり、彼女の魅力が思いきり発揮されるのではと、楽しみだ。

(C)AFLO
 1972年、カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。父はキューバからの移民の息子、母は白人。ロサンゼルスの南にある都市ロングビーチの高校に通っていた16歳の時、モデル事務所と契約。モデルの活動のために数ヶ月日本で過ごしたこともあるが、本人いわく、日本ではあまり売れず、ぶらぶらしていたそうだ。

 映画デビューは、ジム・キャリー主演の『マスク』(1994)。女優になることなど考えたこともなかったが、モデル事務所に勧められてオーディションを受けたところ、通ってしまった。それが最初のブレイクなら、次のブレイクは『ベスト・フレンズ・ウェディング』(1997)。好きだった男性が結婚すると知って略奪しようとする女性の話で、ディアスが演じるのは、その男性の婚約者。下手な歌声を披露するシーンなど、彼女のコミカルさとかわいらしさが弾ける1作だ。ディアスがあまりに魅力的すぎて、主演のジュリア・ロバーツが不安になったとも言われている。

 そんなディアスの人気は、翌年の『メリーに首ったけ』(1998)で大爆発。1999年にはオリバー・ストーンの『エニイ・ギブン・サンデー』でシリアスな側面を見せた上、スパイク・ジョーンズの『マルコビッチの穴』ですぐには誰かだかわからないルックスになり、体当たりした。

 ところで、ジョーンズは1999年にソフィア・コッポラと結婚し、2003年に離婚しているが、コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)でアンナ・ファリスが演じたブロンドの女優ケリーは、ディアスをモデルにしていると言われている。主人公シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)は、自分の夫とその女優が目の前で盛り上がるのを見せつけられる。ケリーが、自分の父はキューバから来たというセリフもある。コッポラによる、ちょっとしたあてつけなのかもしれない。

 2000年には『チャーリーズ・エンジェル』で初めて本格的なアクションに挑戦。もともとスリムな体型の彼女が、ワークアウトやヘルシーな食生活に目覚めたのは、この映画がきっかけだ。映画は大ヒットし、続編が作られることに。ほかにも、『ホリデイ』(2006)、『ベガスの恋に勝つルール』(2008)、『ナイト&ディ』などコメディ、『イン・ハー・シューズ』(2005)、『私の中のあなた』(2009)、『悪の法則』(2013)などドラマで、どんどん豊かな才能を証明していった。

(左から)キャメロン・ディアス、ジャスティン・ティンバーレイク(2011年撮影) (C)AFLO
 その間には、ロマンスの噂も多数。お相手は、『メリーに首ったけ』の共演者マット・ディロン、ジャレド・レト、9歳下のジャスティン・ティンバーレイクなど。ティンバーレイクとは、別れた後に『バッド・ティーチャー』(2011)で共演している。

 夫となったマッデンとは、友人ニコール・リッチーがマッデンと双子兄弟でバンド仲間でもあるジョエル・マッデンと結婚していることから知り合った。ふた組の夫婦は家も近い。

 42歳で結婚したディアスは、子供を望むもなかなか恵まれず、2019年12月、代理母を雇って娘ラディックスちゃんを授かった。今年3月には、やはり代理母を介して息子を迎え入れたと発表している。息子の名前は、鳥の名前でもあるカーディナル。リッチーとジョエル・マッデンの息子の名前は、スズメを意味するスパローだ。意識して命名したのかどうかは不明ながら、リッチーはその選択を喜んでいるようである。

 今月半ばには、ディアスがベビーカーを押し、マッデンがラディックスちゃんと手を繋いでサンタバーバラの街を散策する様子がパパラッチされた。その姿からは幸せぶりがたっぷり伝わってくる。家を離れずにできる仕事として、近年ディアスが立ち上げたワインのブランドも、大好調な様子。そんな彼女も、『バック・イン・アクション』で演技の楽しさを思い出し、少しずつでも女優業に戻ろうかと考えたりしているだろうか。どちらになったとしても、彼女の幸せを応援し続けたい。

猿渡由紀(L.A.在住映画ジャーナリスト)プロフィール
神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「週刊SPA!」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイ、ニューズウィーク日本版などのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

文:猿渡由紀

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