インターネット無料マンガサービスは、新たなマンガ時代の幕開けとなるか?

2014年に入り、無料でマンガが読めるインターネットサービスが加速している。スマートフォンの普及やマンガアプリの操作性の向上など、様々な要因があるだろうが、講談社や小学館、集英社、KADOKAWA等、大手出版社が“本気”で参入してきたことが大きい。そこで、現時点でどのようなサービスがあって何が読め、今後はどうなっていくのか、探ってみた。
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ここ最近の無料マンガの話題といえば、2013年12月にディー・エヌ・エーが講談社と組んでスタートさせた“マンガボックス”だろう。その9割ほどが書下ろしとなる約30の作品を毎週更新。『進撃の巨人』や『金田一少年の事件簿』のスピンオフ作品などが話題となり、開始から3ヵ月で300万ダウンロードを突破、ユニークユーザー数は20~30代男性を中心に100万人を超えるまでとなった。また、2014年4月には一般の人でもマンガを投稿できるサービス「マンガボックス・インディーズ」をスタートさせ、上位30作品に入った作家にはマンガボックスでの連載可能性も示唆。有能な新人の発掘&囲い込みを本格化させていく模様だ。
3月にKADOKAWAがオープンさせたウェブコミックマガジン“ComicWalker(コミックウォーカー)”も話題となっている。KADOKAWA発行の漫画雑誌とウェブマガジンから連載中の150作品に完全オリジナルの50作品を加えた、計200作品5000ページを毎月更新させ、既存の作品もフルカラー化して配信。マンガボックス同様、「艦これコミック大賞」「ComicWalker新人大賞」の新人賞も設立されている。
コミックウォーカー編集部に聞いたところ、「ウェブサービスならではのオールカラー版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』と『新世紀エヴァンゲリオン』がイチオシ作品です。また『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』については、コミックウォーカーのサービス開始時に安彦良和先生の書下ろしで、一年戦争終結後のアムロたちの姿を描いた『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 特別編』を先行公開しています。また、ゲームから人気の火がついた『艦隊これくしょん』のコミカライズがまとめて読めることも大きな評価を受けています」。
とはいえ、「圧倒的な作品数と幅広いジャンルの作品に対し、男女問わず幅広い世代のユーザーの方がいらっしゃるため、現状、どのような作品がウケるのか、その傾向はまだわかりません」と担当者は話す。だが、「現時点での数字は発表していませんが、近年の一般的な紙漫画雑誌の創刊号部数平均と比較しても10倍近くのユーザーに、作品に触れていただけています」と、滑り出しは上々のようだ。
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