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インターネット無料マンガサービスは、新たなマンガ時代の幕開けとなるか?

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 また、この2つ以外の無料マンガサービスも活況だ。『世界鬼』『マギ シンドバッドの冒険』など、ウェブならではの作品が揃う、小学館の“裏サンデー”は中高生がメイン読者となり、その読者数は月80万~100万人に。2012年6月にスタートした集英社の“となりのヤングジャンプ”で連載中の『ワンパンマン』は単行本化され、発行部数は260万部を突破。開始から2年目で“となりのヤングジャンプ”は黒字化を達成している。

 ほかにも、集英社は5月12日までの期間限定で『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『NARUTO-ナルト-』『トリコ』など、大ヒット作の1巻を無料で配信するキャンペーン「春マン!! 2014」をスタートさせ、『ろくでなしBLUES』『サラリーマン金太郎』といった旧作を全巻無料で1日当たり30分のみ読める“全巻無料マンガアプリ”も登場し、無料化の流れはより加速している。

 では、この無料マンガは今度どうなるのだろうか。現在、定期的にマンガ雑誌を購読する読者は年々減り続け、なんとマンガ雑誌の収益はピーク時の6割減に。ただ、その反面、単行本が盛り返しており、単行本の収益に依存する形で、全体で3000億円規模のマンガ市場を保つ形となっている。さらに、無料マンガは印刷や流通コストがかからないため、1話あたりの掲載料が週刊少年誌と比べると10分の1以下で済み、単行本化した際の採算ラインも1万部程度は低くなる。そう、無料マンガと単行本の相性は良いのである。無料マンガで作品を知ってもらい、単行本の購入へ。このビジネスモデルが成功すれば、マンガの新たなジャンルとして“無料マンガ”は定着しそうだ。

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