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妖怪絵巻から妖怪ウォッチまで…「愛らしい存在」に変化した妖怪と日本人の関係

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妖怪研究家・湯本豪一さんの著書『今昔妖怪大鑑‐湯本豪一コレクション‐』
妖怪研究家・湯本豪一さんの著書『今昔妖怪大鑑‐湯本豪一コレクション‐』『今昔妖怪大鑑‐湯本豪一コレクション‐』(パイ インターナショナル)より

 我々日本人の傍らにはいつの時代にも“妖怪”という存在がいた。一大ブームの『妖怪ウォッチ』など、お化けや幽霊と異なり時に愛らしく描かれる摩訶不思議な存在だが、『今昔妖怪大鑑‐湯本豪一コレクション‐』(パイ インターナショナル)などの著者・湯本豪一さんは、人生のほとんどを妖怪に魅了されてきた一人である。近代以前にもさかのぼり、妖怪へ傾倒したきっかけや日本人との関係を聞いてみた。

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 20代の頃、博物館の学芸員として勤め始めた湯本さん。ふとしたことから妖怪をテーマに数千点にも及ぶコレクションを集め始めたようだが、そのきっかけを伺った。

 「元々は学芸員として『日本のマンガ史』を主な研究テーマとしていました。例えば、戦時中の風刺画など、記録性のあるマンガに時代ごとの思想などがどのように反映されているかに関心を寄せていました。そのさなかでたまたま、古書店で手に取った本にかわいらしい妖怪が描かれていたんです。当初は“怖い”とかどこか“畏怖する”というイメージがあったのですが、あまりに愛らしく、それ以来、一気に興味が湧いてきました」と振り返る。

 先の著書にもあるが、現在は江戸時代や近代をはじめとした絵巻物や妖怪をあしらったおもちゃなど、多数のコレクションを保持している。そして、年代ごとに表現された妖怪の造形を辿って行くと、われわれの日常と妖怪の関係がさらに浮かび上がってくるという。

 「大衆に“妖怪”という存在が認められるようになったのは、おそらく江戸時代からだと思われます。大きな理由は、木版印刷の普及ですね。それ以前は一点一点、手で描かれた絵巻物を通して“怖いもの”として扱われてきたのが、庶民にも伝えられるようになった。日の当たる存在になると共に、子どもたちも楽しめるすごろくなどに描かれるようになり、茶碗や番傘など、身近なものをモチーフにした愛らしいキャラクターとなってきたのが資料を見るとよく分かります」。

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